矯正をする目的
 
効率的な咀嚼機能を確立することで、最良の顔貌の成長を促します。近年食生活の変化から、あごの骨の発達が適切でないお子さんが増えています。そのため、永久歯の生えるスペースがなくいろいろなところから出たり、横になったり、八重歯になったりという例が多いようです。また、悪習慣例えば、テレビの影響などで、下あごを出すまねをすることを頻繁にすることにより、そのまま下あごが出てしまう反対咬合といわれる状態になる場合もあります。
 
歯を抜かない歯列矯正
 
歯列矯正治療は自費診療(健康保険外)であり、比較的高額の負担である事と歯を並べるスペースの確保のために、健全な歯を抜かなければならないケースがあることのマイナス面も指摘されています。歯を抜く行為は矯正患者さん(特に小学生の子が多いと思われます)にとって非常に苦痛で憂鬱なことと思われます。
 
子供の顔は大人の顔の縮小じゃない
 
小児の顔は、一般的に女性15歳ぐらい男性で18歳ぐらいの年齢なるまで成長しています。その成長は、口の周りの筋肉からの刺激、咀嚼することや言葉を発することで促されているのです。例えば上あごの歯の根の先は、鼻の下あたりまであります。このように顔貌の形成に重要な歯を抜いて、小児の顔の成長に影響はないとは言い切れません。また、口の中には大きな筋肉組織で構成された舌がありますが歯列のアーチを小さくすると、舌のスペースがなくなり呼吸や飲み込みに影響が出るケースもあります

当院で多く場合使用する床矯正装置
(左上顎、右下顎)この矯正装置は着脱可能です。
 
機能的治療法と機械的治療法
 
(機能的治療法)
乳幼児期においては、あごの発達を診させてもらった上で顎の発達の遅い子や、反対咬合になりそうな子には、注意を促し、親御さんに機能訓練の指導しています。また歯列矯正の後に良好な状態を維持するためにも機能訓練を行ってもらいます。
(機械的治療法)
どうしても矯正が必要と考えられる場合は、矯正の相談をいたしますが、歯を抜いてスペースを作る方法よりも、あごを拡大する装置を使って拡大したスペースに正常な永久歯を移動させる方法をお勧めしています。
多くのケースで床矯正装置を使います