19年04月16日 10時33分
契約書には3か月前までに申告が必要とあるけどすぐに退職できる?
現在月給制の会社に正社員として勤務している。
職場の上司との折り合いが悪く、早く別の会社に転職したいと考えている。
今すぐに退職したいが、雇用契約書には退職の3か月前までに申告と記載がある場合、早期に退職することはできないのだろうか。

希望の会社の面接に進み、転職の目途も立っている。
だが今の会社の雇用契約書には「自己都合で契約を解除する場合は、遅くとも3か月前迄に文書で申し出なければならない」と記載があったという。

こうした場合、雇用契約書の条件が優先されるのだろうか。
労働者には「退職の自由」が認められているというが…

弁護士法人一新総合法律事務所の五十嵐亮弁護士に聞いてみた

[回答]

■退職は自由か?
労働者には、「退職の自由」が認められており、民法627条に規定があります。
民法627条1項によれば、雇用の期間の定めのない労働者は、「どのような理由でも」雇用契約を一方的に解除できることになります。そのような意味で退職は自由といえます。

■法律上はいつまでに解約の申入れをする必要があるか?
問題は、「いつまでに解約の申入れをしなければならないか」という点ですが、法律上は、いつでも解約ができるとされているわけではありません。
この点については、民法627条2項は、次のように定めています。
期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
例えば、月給制で、給料の計算が20日締めでなされている場合、民法627条2項によれば、4月20日までに退職したい場合には、当期の前半(4月5日)までに解約の申入れをしなければならないことになります。解約の申入れが、4月6日以降になってしまうと、退職できるのは次々期(5月21日)以降となってしまいます。

■質問のケースではどうか?
質問のケースでは、遅くとも3か月前までの解約の申入れが必要とされているとのことですが、6か月前までに退職願を提出しなければならないとの就業規則の定めの有効性が争われた事案で、627条に抵触する就業規則の定めは無効であると判断した裁判例がありますので、雇用契約自体が無効であると主張し、早期の退職を求める余地はあるように思います。弁護士法人一新総合法律事務所
五十嵐亮弁護士
経歴
【出身地】 新潟県新潟市
【最終学歴】同志社大学法科大学院修了
【資格】 弁護士

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