水鳥と植物の楽園 紫や白の衣をまとった 和美人が夏を告げる
冬には6,000羽近くの白鳥が飛来する瓢湖。渡り鳥が身体を癒すそのほとりは、春のレンギョウ、桜、初夏のハナショウブ、アジサイ、真夏のハスと、季節を彩る植物の宝庫だ。もともと瓢湖は農業用水池として人口的に造成されたもの。江戸時代の干ばつ対応策として、13年の歳月をかけて寛永16年(1639年)に完成。後には大雨の貯水で水害を防ぎ、地元の生活を守る役割も果たしてきた。また「瓢湖」という名は明治の終わりごろ、当時の大小2つの池が瓢箪の形に見えたことから呼ばれることになった。現在は瓢湖水きん公園として整備され、隣接したあやめ園では6月中旬になると面積1.1ヘクタール、200品種50万本ものハナショウブ(※)の仲間が咲き競う。地面からまっすぐ伸びる細い茎に、白や紫色の鮮やかな花びらが広がる様子は、どことなく和の風情が漂う。見頃は梅雨時の6月中だが、初夏の日差しにも良く似合う。園内には遊歩道が整備され、安全に一面の花をゆっくりと見渡すことができ、毎年6月には「あやめまつり」も開催される。