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2024.04.19

誰かの記憶の風景を作り、まちに「大切さ」を取り戻す。ドーナツも売る設計デザイナー・高坂裕子さんの挑戦

長岡市中心部から信濃川にかかる長生橋の西岸へと渡ると、「川西」と呼ばれる地域に入る。「川東」つまり中心部に近い信濃川東岸エリアと比べると少しずつ郊外型店舗が目立つようになり住宅密集地も増えてくる、生活の場所としての性格が色濃いエリアだ。
その信濃川のほとりに「金型ビル」という、名前の通りかつてプラスチック製品の金型を作る工場だったビルを改装した建物がある。3階に以前「な!ナガオカ」で紹介した「ひねもす大学」も入居するが、今回の記事の舞台はその2階にある「somewhere」というスペース。もともと築40年のビルとは思えないほどモダンなイメージの内装や選書、ソリッドな壁を生かした展示空間とコワーキングスペースが同居し、入り口にはドーナツとコーヒーを販売する場所も備えたこの場所は、「どこか」を意味する名前の通り、明確に何を目的とした場所だとは言い表せないが、確かに「ここに自分もいていいのだ」と思わせる雰囲気に満ちている。


この場所を運営するのは、店舗などの内装設計やデザインを行う企業「Sponge(スポンジ)」。その代表である高坂裕子さんは、もともとこのビルに工場を置いていた金型製造業・長岡金型の現社長の娘さん。かつて家業の場であり、生活空間でもあり、そして現在は自分の事務所でもある場所をまちにひらく試みをいかに始め、何を大切に運営しているのだろうか。


 


真剣に仕事や教育に向き合う
大人の姿に導かれた少女時代


2025年には50周年を迎えるという長岡金型。その創業者一家に三姉妹の次女として生まれた高坂さんは、創業社長である父親の姿を見ながらこの場所で育った。


「私の小さい頃にはここにあった工場が自宅とつながっていたので、物心ついた頃から油にまみれた工作機械がいろんな音を立てながら動いているのを見てきました。学校から帰宅して、黙々と機械に向かう父の背中を横目に『ただいま』と言うのが私の原風景。だから、今でも機械油や灯油の匂いに惹かれます」


20代で「会社を作る」と決めた父。その父親である祖父は、「かつて自分ができなかった起業の夢を息子がなし遂げるのなら、それを支えよう」と、当時勤めていた会社を退職。その退職金を使って、親子でこの工場を築き上げた。そんな家族の影響を大きく受けながら、高坂さんは育った。
「父はものづくりのことしか考えていないような人でしたから、自宅に帰って

引用元
な!ナガオカ
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なみなみならぬ情熱と志で、ながおかのいいところを、なかまとともに伝えたい。 長岡市が運営する、長岡の魅力を市内・市外へ発信していくwebメディアです。

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