十日町市を代表する食のひとつ「へぎそば」。
今では、新潟県内はもちろん東京でも食べることができるお店もありますよね。
お蕎麦は全部同じなんじゃ?いえいえ、つるりとしたのど越しと、コシの強さが特徴の日本そば「へぎそば」の魅力を深堀したら、おいしさの秘密…さらには地域の歴史や文化がぎゅっと詰まっていることがわかりました!
これを読んだらあなたも「へぎそば」通?!ぜひ最後までご覧ください。
そもそも「へぎ」って何のこと?
「へぎそば」の語源でもある「へぎ」。これは木でできた器の事をさしています。
「剥ぐ=はぐ=へぐ」のなまりからきているそうで、木を剥いだ板でできた「へぎ」という器に盛られたそばのことを「へぎそば」と言うんですって。
へぎの中にずらっと並ぶ姿はまさにビューティフル!食べ始める前に、まずはカメラのご準備を♪といいたくなる美しさがあります。
秘密は海藻「へぎそば」の弾力の謎!
へぎそばを初めて食べたとき、そのコシの強さに驚く方もいるのでは?
実はこれ、海藻の「布海苔(ふのり)」をつなぎに使うことで生まれるものなのです。もともとは織物づくりの際に糸に撚りをかけるため使用されていた布海苔。
なぜ織物?
十日町の着物の歴史は、正倉院に所蔵されている麻布(越後布)まで1200年以上さかのぼり、現在では「十日町絣」「十日町明石ちぢみ」に代表される先染と、「振袖」「訪問着」に代表される後染の技術の両輪を併せ持つ全国屈指のきもの総合産地なんです。
織物産業が盛んなこの地だから生まれた味なんですね。
どうしてぐるぐるに盛ってあるの?
この盛り方も「へぎそば」の特徴の一つですよね。
“手振り”や“手繰り”と呼ばれる方法で、一口大に丸められたそばが「へぎ」の上に綺麗に並びます。
この盛り方も、織物をする時の糸を撚り紡いだ”かぜぐり”から生まれたものという説もあります。ここにも織物の文化の影響があったんですね。
文化庁の100年フードに選ばれました
「100年フード」とは、全国各地で世代を超えて受け継がれ、長く地域で愛されてきた自然風土や歴史に根差した多様な食文化のうち、比較的新しく、文化財として登録されていない食文化を文