2026.03.19

熊の問題は、人の問題。大学の枠を飛び出して健全な森づくりに挑む未来里山技術機構「NEST」

熊問題の根っこには「ナラ枯れ」があった


新潟県でも熊の出没が相次ぎ、テレビや新聞で連日のように報じられるようになった2025年。野生動物管理の専門家である山本さんのもとには、全国から取材が舞い込みました。


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「本当に異常でした。テレビや新聞から、何十件も取材を受けました。しかし、もう最初からストーリーができあがっているメディアも多かったですね。『熊がかわいそう』とか『人間が悪い』とか。なぜこのような事態になっているか、現時点の選択肢で冷静に何ができるかといった建設的な話になりづらいのが、動物との共生を語るうえでの熊問題の特徴です」


熊問題は、いつの間にか感情論に回収されやすいテーマになっているのが現状です。しかし、山本さんが見つめているのは、もっと長い時間軸の中で起きている、構造的な変化です。一般的にはブナの実が凶作になったために熊が里に下りてくると説明されることが多いですが、山本さんは、そのさらに奥にある原因を指摘します。


「ブナが凶作なのは確かです。でも、その前に“ナラ枯れ”があるんです。ブナもナラも実らないときは、熊は里に下りるしかないんですよ。ナラの木は、昔は炭を作るためにたくさん切られていたんです。でも、1955年くらいから電気の時代になって、山の木を切らなくなった。そうすると、森はどんどん太って、やがて老木化していくんです」


ナラ枯れとは、害虫が媒介した病原菌によってナラ類の木が大量に枯れていく現象です。新潟県では、平成10年代にこのナラ枯れが県内全域に広がり、ミズナラの約7割、コナラの約2〜3割が失われました。老木の割合が増えたことが、このナラ枯れの蔓延に大きく影響したのだそうです。


「老木の方が、虫に好まれるんです。免疫力も落ちているから、一気にやられる。それで、森がごそっと変わってしまったんです。森の中に食べるものがない中で、里には栗や柿、胡桃、人の作った作物がある。そりゃ、下りてきますよね」


森の変化は、すぐに人の暮らしに跳ね返ります。ナラが減っているうえ、さらに凶作となると熊は山にとどまれなくなり、人の生活圏と日常的に交差する存在へと変わっていったのです。


引用元
な!ナガオカ
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