小さな工房でコツコツ作る伝統のしめ縄「新潟大黒締め」
原田甚助農園がある地域は、ご近所が「原田さん」だらけ。そのため、昔から屋号で呼び合うのがお決まりなのだとか。
残暑の続く8月末、原田さんのしめ縄制作の現場を見たいと中之島を訪れました。あたり一面に広がる田園では、青々とした稲が穂を垂らし始め、間もなく収穫の時期を迎えようとしています。住所を頼りに農道を進むと、ほかとは一風異なる三角屋根のモダンで個性的な外観のお家を発見。この奥にある小さな建物の前で、原田さんが出迎えてくれました。
「ここが私の工房です。もともとは農作業小屋だった場所を改築したんですよ。さあ、中へどうぞ」と誘われ扉を開けると、ふわりと漂う藁の香りが鼻をくすぐります。薄暗い室内には、丁寧に編み上げられたしめ縄や藁細工が所狭しと並んでいました。
原田さんの工房。ここで日々ひとり黙々と藁細工に向き合っています。本棚には、藁細工のデザインや技術について書かれた専門書が並びます。
「しめ縄の色が褪せないように、わざと室内を暗くしているんです。外の光で藁の色が変わってしまうんですよ」と原田さん。工房の中は、作業場というよりはアトリエのような印象です。壁には様々なサイズのしめ縄や藁飾りが吊り下げられ、作業スペースの周りにはその材料となる青い稲藁が整然と積み上げられています。
「黙々と何かを作ることが好きなので、しめ縄作りは性に合っていますね」と話す原田さん。
「しめ縄って、神域との境界を示すものなんです。清浄な空間を作る役割があって、神棚や玄関に飾ることで、そこに住む人を守ってもらうという意味があります」(原田さん)
実は、しめ縄にも様々な種類があります。原田さんが作るのは「新潟大黒締め」と呼ばれる新潟の伝統的なデザイン。中央が太く、両端に向かって細くなる美しいフォルムが特徴です。その他にも、長岡締め、中越鳥居締め、上越大根締めなど県内でもいくつかの形がありますが、師匠から習ったこの新潟大黒締めを選んだ理由を尋ねると、「上部に付ける稲飾りがかっこいいなと思って」とのこと。
原田さんが製作した新潟大黒締め。5寸から3尺まで、神棚の大きさに合わせて6種類のサイズを作っています。主に家庭用とのこと。
手にとって見せてもらったしめ縄は、想像以上にしっかり


