縄文ボードゲーム『UMATAKA』とは?
「ついに念願の火焔土器を作りますよ!」「じゃあ僕はカモシカを獲ろうかな」「ここで竪穴住居をアップグレードします」
カモシカ、野うさぎ、ドングリ、薪、竪穴式住居、人、イヌ、そして土器……。さまざまなコマやカードが登場する
そんな声が資料館のロビーに響く。これはもちろん現代の話だ。
場所は新潟県長岡市の馬高縄文館。ここは火焔土器の発見地として有名な、史跡「馬高・三十稲場遺跡」にかかわる資料を紹介する資料館で、展示する土器は火焔土器をはじめとする重要文化財「馬高遺跡出土品」が中心になっており、さらには発掘調査や史跡整備のあゆみなども解説されている。
展示室の入り口には大きな火焔土器と対になる王冠型土器、そして「なんだ、これは!」ポーズの岡本太郎さんと、俳優の片桐仁さんの写真が入館者を誘う。
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火焔土器は、歴史の教科書や時に美術の教科書にも登場するおよそ日本で一番有名な縄文土器で、新潟県、それも信濃川流域に多く見つかっている。何を隠そう、実はここ馬高遺跡で見つかった火焔土器がその発見第一号とされている。
1936(昭和11)年に地主だった近藤篤三郎氏によって見つけられ、「馬高A式1号」と命名されたこの土器は、その燃え盛る炎のような形状から誰からともなく「火焔土器」と呼ばれはじめ、「火焔型土器」という土器の種類の標識(基準)となった。実は火焔土器と名乗れる土器は、ここ馬高遺跡のこの土器だけで、あとはすべて「火焔型」と「型」が付いている。
厳密に言えば火焔型土器の型式名(土器の型式名には遺跡の名前が付けれらる(※1))は「馬高式土器」。もちろん馬高遺跡から付けられている。
取材が行われたのは長岡らしい大雪の日。縄文館の前庭も雪に覆われ、かつて縄文人たちが見たであろう雪原が広がるような錯覚をおぼえる
縄文館に並ぶ、錚々たる火焔土器・火炎型土器の数々
※1 土器型式:形や文様なとか共通する土器の年代的単位のこと。土器型式を新旧で並べたものを土器編年と言い、出土の層位の違いと組み合わせ、時代の物差しになっている。
冒頭の声、何をやっているのかと言えば、今年新しく