現在開催中の大地の芸術祭通年プログラム「越後妻有 2025 夏秋」。
作品の展示場所は、美術館や廃校、屋外など多岐に渡りますが、ぜひ訪れていただきたいのが空き家を使った作品です。地元住民が協力して制作されたものが多く、今回のプログラムでは10カ所ほどの空き家作品をご覧いただけます。
そんな空き家作品の中からひとつ、松之山エリアにある「家の記憶」をご紹介します。
里山でアートな夏旅を[前編] はこちら
廃校全体を使った人気作品クリスチャン・ボルタンスキーの「最後の教室」から車で2分の距離。アプリのマップやのぼり旗で、迷わず作品向かいの駐車場に到着しました。
中に入ると一気に変わる空気感。長さにして4km以上の黒い毛糸が縦横無尽に張り巡らされており、地元の人から集めたかつて使われていた生活道具などが編み込まれています。作家さんが集落の方と一緒に2週間ほどかけて制作したそう。窓からの光がこの作品を作りあげていると感じました。
この日、受付をしていたのは2009年の制作当時から作品に関わっている地元集落の方。「展示されている古道具はうちで昔使っていたもの。これは何に使う道具かわかる?」と気さくに話しかけてくれました。
「昔は囲炉裏があって、そこから出た煤で柱や天井が黒くなるけどそのお陰で家が傷まない」木材が煤でコーティングされることで防虫・防腐効果があるようです。
おじさんが建物裏に洞窟があるから行ってみなと教えてくれました。家の裏に回ってみると、大人一人が入るのも難しそうな穴が。近づくと空気がひんやりしていて気持ちがいい!しかし、食料保存のためではなさそうとのこと。
後日、他の方に聞いてみると、この家ではかつて養蚕をしていたため、蚕のエサとなる桑の葉を保管していた可能性があるそう。なお、雨露のついた葉を食べると蚕が下痢をするため、桑の葉の管理には工夫が必要だったようです。
空き家作品とは何か?単に「空いているスペースがあるから作品として使おう」ということではないのだと思います。集落や住んでいた人の歴史が刻まれた、そこにしかない唯一無二の場所。
もしかしたら、とっくに取り壊されていたかもしれないその家に、アート作品がで


