3度の飯より酒が好き。いや、米も好き。あと、猫も好き。収入の8割は食費に費やす自称グルマン河野が、毎日の献立作りに使えるネタから、女性ひとりでは入りにくいようなお店の話まで。間口は狭く、出口は広い「食」の話をお届けいたします。
陶芸体験も! 沼垂で出会える“青人窯”のモダンな器

【新潟 器 歳時記】新潟市 青人窯
新潟の地で作られる器を季節の料理とともにめぐる連載。第19回目は新潟市で作陶を行っている「青人窯」の器です。

10年の節目を迎え 新たな作風に挑み始める
新潟市中央区にある沼垂テラスに工房を構え、今年9月で10年の節目を迎える青人窯。県内に限らず、全国各地にファンを持つ人気の窯だ。

青人窯の定番の器は、2種類の陶土と4種類の釉薬を主軸に作られていて、どれもシンプルで料理を選ばない。

土は岐阜県と滋賀県から取り寄せ、器に使う釉薬は作陶家である大山育男さんが手作りしている。

新潟市秋葉区でとれた柿の木を薪ストーブで燃やして作った柿灰釉や、南魚沼市の火山灰を用いた若草色の魚沼緑灰釉など、新潟の自然を生かしたものもあって愛着が湧く。

益子の窯元で器作りの基礎を学び、修業を積んだ後、2008年に長岡市で築窯。この道33年、培って「もともと美濃焼や萩焼といった古典的なものが好きなので、粉引の器を作りたいと思っていたんですが、柿灰釉に出会ったりしていくうちに今の作風になっていきました」。

青人窯の器は、大山さんいわく「和食器と洋食器の中間で、今は洋食器寄り」とのこと。確かに、リムの付いたプレートやフチに立ち上がりのあるデザインは家庭でラフに作る洋食によく似合う。

「10年を機に、今後は徐々に“和食器寄りの中間”を作っていきたいです。今も新潟の土を使った粉引を作っていますけど、ごく一部。20周年を迎える頃には、本格的に新潟の土と釉薬を使った新潟焼(仮称)を作りたいと思っています」。

土の温もりを感じるけれど、極限まで削られた器は驚くほど軽くて使いやすい。現代の暮らしになじむよう作られた青人窯の器、そのモダンな佇まいをぜひ食卓で。

青人窯の器の数々




作陶家Profile
大山育男さん/新潟市生まれ。筑波大学工学部、新潟大学教育学部美術科、陶磁器意匠研究所を経て、岐阜県土岐市にある窯元でろくろ師として2年従事。2012年、青人窯を設立。作品作りに加え、陶芸教室や体験も実施。
青人窯の器の購入先>>
店舗情報
店舗名 | 青人窯 |
---|---|
住所 | 新潟市中央区沼垂東3-5-24 |
TEL | 090-2246-1687 |
営業時間 | 10時〜17時 |
定休日 | 月〜水曜 |
駐車場 | なし |
備考 |
photo:中田洋介 <中田写真事務所>


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