公開日2026.02.06
最終更新日2026.02.06

新潟の「潟や湿地」の魅力・価値を考える。湿地都市NIIGATAトークセッション「湿地と暮らす贅沢」が開催されました!

新潟の「潟や湿地」の魅力・価値を考える。湿地都市NIIGATAトークセッション「湿地と暮らす贅沢」が開催されました!
公開日2026.02.06
最終更新日2026.02.06

新潟の「潟や湿地」の魅力・価値を考える。湿地都市NIIGATAトークセッション「湿地と暮らす贅沢」が開催されました!

新潟市は、2022年に国内で初めてラムサール条約湿地都市の認証を受けた国際湿地都市。

2026年11月に新潟市で開催される「世界湿地都市ネットワーク市長会議」を前に、市民参加型のトークセッションが行われました。テーマは「湿地と暮らす贅沢」、キーワードは「潟のミカタ」。潟の「見方」を発信し、潟の「味方」を増やしていくプロジェクトです。

会場は鳥屋野潟を一望できる開志専門職大学紫竹山キャンパス7階ラウンジ。窓の向こうには鳥屋野潟が広がり、遠くには弥彦山や角田山の稜線まで見渡せます。都市と湿地が隣り合う新潟らしい景観を望みながらのトークとなりました。

登壇者Profile

上段左から野島晶子さん、松浦柊太朗さん、山田彩乃さん、古川悠さん、大澤光さん、東城歩さん

野島晶子さん
新潟市副市長。新潟の食文化と湿地環境のつながりに着目。

松浦柊太朗さん
(株)U・STYLEディレクター。潟と人の関係性をデザインに取り組む。

山田彩乃さん
NPO法人リリマリプロダクション理事長、TEAM”潟のミカタ”。

古川悠さん
新潟国際情報大学4年生、新潟市里潟ガイド。

大澤光さん
開志専門職大学事業創造学部2年生。

東城歩さん(ファシリテーター)
開志専門職大学講師、新潟市里潟ガイド。

TALK1|私にとっての「湿地と暮らす贅沢」

最初はフォトフリップ・トーク。登壇者が持参した写真をもとに「湿地と暮らす贅沢」を語りました。

東城さん「白鳥の写真です。この大学が開学したとき、地元の方から鳥屋野潟の四季をドローンで撮影した映像を見せていただいたんです。すごく綺麗で、「白鳥ってこの目線で新潟を眺めているんだな」と思ったとき、白鳥への愛が芽生えました」

松浦さん「私の写真は鳥屋野潟の漁師、増井さんです。鳥屋野潟に漁師がいることをご存知ですか? 増井さんは漁協の組合長で、私たちにとって潟の師匠のような存在です。話を聞くと「学校には行かなかったけど、生きるために大切なことは全部潟から学んだ」とおっしゃるんですね。朝起きたら罠を仕掛けに行って、魚を捕まえて売って生計を立てていたと。この写真の佇まいの美しさは、まさに潟での暮らしが生み出したものだと思います」

山田さん「私は佐潟です。実は群馬県出身で、潟は新潟に来て初めて出会いました。新潟大学の授業で昆虫を50〜60種類集めてくる課題があって、佐潟で実習をしたのが最初の体験です。山奥でもないのに、私たちの生活の隣に多様な生命が宿っている場所があることに感動しました」

大澤さん「大学7階ラウンジで撮りました。ここでパソコン作業をしながら過ごすことが多いのですが、時間帯によって景色が全部違いますし、今のように夜景も見えます。四季折々の景色が見られて、あと2年間ここで過ごせると思うと、それもまた贅沢だなと」

古川さん「この写真は今年9月に里潟ガイドのステップアップ講座で、鳥屋野潟をカヌーに乗ってガイドを受けた時のものです。天気に恵まれて、潟の中から見る景色がとても綺麗でした。陸から見るのとはまた違った印象を受けますし、都市部にこれだけ豊かな自然があることが贅沢だと感じました」

野島さん「私は越後平野の田園とお米とお酒です。「潟じゃないじゃない」と思われるかもしれませんが、実は新潟市の面積約730平方キロメートルのうち、湿地が44%を占めています。ラムサール条約では水田も湿地に含まれます。新潟市は水田面積が日本一で、信濃川と阿賀野川が日本海に注ぐまちです。市内には15もの酒蔵があります。地場産のものは相性が良くて、毎日食べられる私たちは本当に幸せ者だと思っています」

東城「皆さん、他の方のお話を聞いていかがでしたか?」

山田さん「実際に漁をしている様子を見たことがなかったので、写真で見ることができて新鮮でした!」

松浦さん「野島副市長の44%という数字は初めて知りました。田んぼは大雨のときにダムの役割も果たしていて、安全に暮らすためにも湿地は大切ですよね」

TALK2|湿地は日常のどこに入り込んでいる?

続いて、日常に入り込んでいる、湿地や潟の恩恵や魅力、ウンチクなど、登壇者がぜひ市民の皆さんに気付いてほしいことや、独自の目線で潟の魅力を紹介しました。

東城さん「ここにいる皆さんは湿地の価値を理解されている方々ですが、一般市民の方はどうでしょうか?湿地や潟はずっとあるものなので、普通に暮らしているとありがたみを感じられない人も多いはずです。日常に入り込んでいる恩恵や魅力、ぜひ市民の皆さんに気づいてほしいところを教えてください」

大澤さん「先ほども写真で紹介しましたが、この会場から見える景色は、ぜひ一度見てもらいたいですね。毎日なにげなく眺めている景色が、実は湿地があるからこそ成り立っていることにも気づけます」

古川さん「鳥屋野潟の周辺には遊歩道が整備されていて、散歩やジョギングをしている方をよく見かけます。そういった日常的なレジャーの場としても、湿地は暮らしに溶け込んでいると思います」

山田さん生き物の視点でお話しすると、潟には本当にたくさんの生命が宿っています。渡り鳥の中継地点になっていたり、さまざまな昆虫や魚が生息していたり。普段意識しないかもしれませんが、そういった生態系のつながりが私たちの暮らしの近くにあるということは、もっと知ってもらいたいですね」

松浦さん「一つネガティブな話もさせてください。春の桜の時期になると、鳥屋野潟にお惣菜のトレーや缶、タバコの吸い殻が入ったゴミ袋が流れてきます。これは鳥屋野潟で捨てられたのではなく、流域で花見をした人が捨てたものなんです。鳥屋野潟の漁協さんが毎年トラック何台分ものゴミ拾いをしてくれて環境を維持しています。良い意味でも悪い意味でも、湿地と人の生活は密接につながっているということを意識してもらえると嬉しいです」

野島さん「松浦さんがおっしゃったグリーンインフラという考え方は大切ですね。大雨のときに田んぼや潟が、一時的に水を溜めてダムの役割を果たしてくれる。そういう意味で、湿地は私たちの安全な暮らしも支えてくれています」

TALK3|あなたにとっての「潟のミカタ」は?

最後に、登壇者全員がフリップに「あなたにとっての潟のミカタ」を書いて発表しました。

大澤さん「私の潟のミカタは『可能性』です。さまざまな潟の見方をすると、いろんな可能性が出てきます。潟との共存だったり、人との出会いだったり。そういった可能性を新潟に住む人だけでなく、多くの方に見出してもらい、その魅力を伝えていきたいです」

古川さん「『心も暮らしも支える場所』です。皆さんのお話にもあった通り、癒やしの部分や心の支えになっている面があります。そして、当たり前の日常に溶け込んでいるからこそ、暮らしを支えてもらっている。これが一番の魅力だと思います。まだまだガイドとして未熟なので、もっと知識をつけたいです!」

山田さん「『潟は交わる場所』です。物理的にも潟は水が交わってできているものですし、いろんな生命と自然、人間が交わっていく場所でもあります。潟をきっかけに人同士がつながったり、新しい可能性が生まれたり。本当にたくさんのものが交わって新しいものが生まれてくる場所だと思います」

松浦さん「私は『潟と人の関係性』です。歴史的に見ても、潟と人の関係性が良いときには潟の状態も良く、距離感が悪くなったときは環境も悪くなっている。だから、関係性を良くしていくアプローチをし続けることで、湿地は良い環境であり続けられるんじゃないかという希望的な仮説を持っています。私たちはデザインを通して、潟と人の良い関係性をつなぎ直すことに10年以上チャレンジしています」

野島さん「私は『ミカタ』について、欲張って4つ書きました(笑)。『味潟』は美味しい食を潟が作ってくれている。『観潟』は観光客を呼び込む目玉として潟がもっと活躍してほしい。『観方』は遊歩道や野鳥観察舎、アクセスなど潟に行くための仕掛けづくり。個人的には潟のほとりにおしゃれなカフェがあるといいなと思っています。ゆっくりお茶を飲みながら、刻々と変化する景色を見てもらいたい。『味方』は保全活動やメンテナンスを通じて将来につなげていく活動です」

東城さん「潟のほとりのカフェ、大賛成です!どなたかぜひ働きかけを(笑)」

見方を変えれば、潟はもっと身近になる

登壇者の皆さんが思うそれぞれの潟の魅力、可能性など、さまざまな角度から知ることで潟や湿地への理解を深めた今回のトークセッション。「潟と人の関係性が良いときは潟の状態も良い」という松浦さんの言葉が印象に残りました。湿地は人との関わりの中で姿を変えていくものだからこそ、私たちの「見方」が大切になります。

普段何気なく目にしている風景の中に、新潟ならではの「湿地と暮らす贅沢」が隠れているかもしれません。皆さんも「潟のミカタ」を考えてみませんか?

関連サイト

ラムサール条約と国際湿地都市NIIGATA
https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/kankyo/ramsar_wetlandcity/index.html

潟のデジタル博物館
https://www.niigata-satokata.com/


新潟の潟の魅力を学べるイベント

潟フェス2026

新潟市の潟の魅力と保全活動を学べる「潟フェス2026」が2月11日(水・祝)に開催。親子で楽しめるゲームやクイズ、限定カード配布、地元スイーツ販売のほか、午後には講演と子どもたちの環境学習発表を予定。新潟の湿地の価値を発見できるイベントです。

イベント情報

開催期間 2026年2月11日(水・祝)
開催時間 10時〜16時30分
会場 新潟日報メディアシップ 1F〜2F(新潟市中央区万代3-1-1)
料金 無料
お問合せ先 新潟市役所コールセンター(025-243-4894)またはe-NIIGATA
備考 @体験・展示
潟に関するパネル・写真展示、親子向けゲーム・クイズラリー(限定湿地カード配布)、潟スイーツ販売など
A講演・発表(13時〜、要予約、先着200人)
「湿地都市ブランディングの戦略」講演、里潟ガイド、小中学校児童生徒による環境学習発表

国際湿地都市NIIGATAフォトコンテスト

公式Instagram「@kataniigata」をフォローし、撮影場所と応募テーマを記載のうえ、「#国際湿地都市NIIGATAフォトコン」「#潟のミカタ」を付けて写真を投稿した人の中から入賞者を決定。入賞した人には新潟市・佐渡市共通商品券5,000円をプレゼントするイベントです。

イベント情報

開催期間 開催中〜2月23日(月・祝)
備考 応募テーマ:「湿地に暮らす」「潟と生きもの」「潟感動瞬間」「潟ファミリー」のいずれか
賞品:優秀賞・各テーマ5作品(新潟市・佐渡市共通商品券5,000円)

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