地球ゴージャストークショーイベントレポート(前編)

司会/栗林紗美(TeNY テレビ新潟アナウンサー)

 5月26日、新潟市のイオン新潟南ショッピングセンターで行われた岸谷五朗×寺脇康文のスペシャルトークショー。平日の昼間にもかかわらず、1階~3階までたくさんの人が詰めかけた。予定時間に2人がステージに登場。会場のれんばかりの歓声を合図に、イベントは幕を開けた。

 話題はまず、2人が出会ったころの話からスタート。初めて2人が出会ったのは26年前。

岸谷 「寺脇はスゴイ、汚かったですね。落ちてたモノを拾って食べてた時代ですよ(笑)」
寺脇 「居酒屋に行ったら隣の席の人が残したモノをお客さんが帰ったとたんに食べたりとか…。貧乏でしたからね。僕が22歳、五朗ちゃんが20歳。五朗はね、ワルですよ、ワル。パッと見た瞬間、『あっ、ワルがいる』って分かるような。リーゼント崩れみたいな頭してましたから(笑)。目がもっと鋭くて、悪い感じでした。ホントとんがってましたね」
岸谷 「何ですか、いきなり(笑)。でもその印象は、お互いにいい風に変わっていると思います。芝居に対する気持ちはずっと変わらないんですけど、映画とか、テレビドラマなどいろいろな経験を、舞台ではき出せるようになってきているので、(今作は)新しい芝居を見せることが出来ると思います」

 地球ゴージャスとして活動して16年。その間、それぞれテレビや映画にも出演し、俳優としての地位も確立した。だが、そんな彼らにとっても“地球ゴージャス”という演劇ユニットはやはり特別なものだという。

寺脇 「地球ゴージャスは、ちょうど阪神淡路大震災の年に旗揚げしたんです。実はそのとき、(俳優って)最も必要ない仕事じゃないかと思って、ものすごく落ち込んだんです。だって、僕らの仕事って芝居が出来たとしても、何のお手伝いも出来ないじゃないですか。大工なら家を建てたり、料理人なら料理を作れるけど、僕らが『芝居作ったんで見てください』って言っても、そんな場合じゃないんだよってことになる。寝るところもないんだから。でも時間が経過するにつれて、少しずつ余裕がでてくるんですね。そんな時に、次に必要なのは、物じゃなくて心の栄養だろうと行き着きまして。だったら日本といわず、世界、いや地球全体の人々の心を豊かにしていこうというところから、地球ゴージャスという名前を付けたんですね。そういうことも含めていうと、僕と五朗がやっていることは、仕事というよりは、生き様。自分たちの思いを0から注入しているものなので、商売という感じではないんですね。皆さんに少しでも心の栄養を与えられたらと思ってやってます」
岸谷 「地球ゴージャスは、自分の俳優人生の横に一緒にいるもの。共に成長していくもので、作品を年代順に書いてみると、それが(自分の)年表になっていく。自分が●●歳のときに××という芝居を作ったのはこういう考えがあったという、イデオロギーと並行して作品がある。だから僕らにとって演劇は、1つの大きな幹であって、その周りにいろいろなテレビとか映画の作品が点在しているという感じですね」