地球ゴージャストークショーイベントレポート(後編)

司会/栗林紗美(TeNY テレビ新潟アナウンサー)

テレビとも映画とも違う演劇の魅力。それは、演じている彼ら自身が一番理解し、同時にお客さんにもっと伝えていきたいことだという。

寺脇 「演劇って周りで何が起きていようが、その空間(劇場)は役者とお客さんが共有する小宇宙みたいになっている。役者の息づかいが聞える中、別次元に行けるものだと思うんです。ドラマや映画は目で見ますけど、舞台は心で見るみたいな。僕らの芝居というのは見ているお客さん1人1人に必ず何かを思っていただくように作品を作っている。“明日から頑張って生きよう”とかね。そういう意見を聞くと僕らもうれしい。2~3時間、現実から離れてた空間を僕らと共有することで、見た人が現実に帰って、生活や仕事が潤っていってくれたらうれしいですね」
岸谷 「僕らが稽古したものって、すべての力を発揮しても60%なんです。あとは劇場にお客様が入って、残りの40%が加わって、初めて舞台が完成する。演劇の魅力は、同じ作品を何公演も上演しますけど、同じ芝居は1つもないんです。映像は完成型1つのためにけいこして作り上げていく。でも演劇は、毎日が違う。今回も60以上公演があるんですが、六十何通りの芝居が生まれる。それは、お客さんとの空気のキャッチボールなんです。前回新潟に来たときも、僕らもスゴイパワーをもらった。お客さん次第で作品が変わっていくんだっていうことを伝えたいですし、そこが面白いところだと思います」
寺脇 「僕らが満足する芝居を作っても、結局見ていただかなければ単なる自己満足にしかなりませんからね。劇場でお客様に見ていただいて、その反応を頂いてエネルギーの交換をして初めて、作品ができ上がるんです。映像は残す芸術で、舞台は無くなっていく芸術。舞台は一言セリフを言う度にどんどん消えていく。映像はいいなって思ったら何回も見られるけど、舞台は同じ舞台を二度と見られない。もちろん映画とかに比べたら、全然(値段が)高いと思います。僕らもそれだけのパワーを持って臨んでいるので、演劇ってダイレクトに胸に伝わるんですね。高くなかったって言ってもらえるように、がんばります」

 そしてこの秋、待望の最新作「X day」が新潟でも上演される。タイトルと共演者以外の情報は明らかにされていないが、一体どんな作品になるのだろうか?

岸谷 「ストーリーに関しては『X day』というタイトルの通り、明かしてないんです。でも、ちょっとだけ明かすと…。『ある1日の出来事=X day』ということなんです。非常に奇跡的なことが起きる日のコトを『X day』って言いますよね?二千何年に惑星が滅亡するとか言われてる日も『X day』って言いますし。今回、登場する人物はみんな、生きていくのに何か抱えている。つらいことを抱えて生きている人間たちがいろんな偶然の中で交わっていく。そこで力を取り戻して、また明日生きるために一歩を歩みを進めていくというような物語なんです。そんな物語をエンターテインメントとしてどこまで見せられるかという点で、今までの芝居とは違うパフォーミングになると思います。また、地球ゴージャスのテーマでもある“いかにして生きるか=いかにして死んでいくか”も盛り込んでいますし、見終わった後に非常に元気になれる舞台だと思います」

最後に、2人から新潟の皆さんへメッセージをもらった。

岸谷 「新潟で舞台を上演できるのは、今までの積み重ねなんです。東京でずっと活動してきたことで、やっと新潟でできる。今けいこ中なんですが、また新しいエンターテインメントができ上がると思うので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいと思います。皆さん、期待していてください」
寺脇 「僕も、舞台に立って、お客さんに笑っていただいたり、拍手を頂いたりすると、あっ、生きててよかったなって思えるんです。存在意義の確認じゃないんですけど『俺はこのためにいる』って思えるんですね。僕らが一生懸命、できる限りのことをやらないとお客さんには伝わらないと思うし、稽古を頑張って自分の力以上のモノが出せるように、努力しています。新潟では、東京で1カ月やって熟成された芝居を見せることができると思います。劇場で待ってますよ(笑)」

途中、寺脇が「ルパン三世」や「ぶらり途中下車の旅」のナレーションのモノマネで会場をわかせ、岸谷が冷静にツッコむなど、息もピッタリな2人。そんな2人だからこそ成し得る地球ゴージャスらしい作品を今回も期待したい。

→次週、より2人の友情やX dayにせまる独占単独インタビューを公開予定
乞うご期待!!

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