地球ゴージャスインタビュー

5月26日、地球ゴージャス最新公演「X day」のキャンペーンで、岸谷五朗、寺脇康文の2人が新潟を訪れた。当日は、タイトなスケジュールの中、完全独占単独インタビューを敢行。最新作から、 “演劇”に対する熱い思い、そして2人がお互いに対して思うことまで、たっぷり語ってくれた。

今秋上演される地球ゴージャス通算11作目となる「X day」。
今作は、今までの地球ゴージャスの作品以上に、公演の内容に関して事前に具体的なことが明らかにしていない。これにはやはり意味があるようだ。

岸谷 「せっかく『X』ってタイトルなわけですから、みんな『X』(秘密)にしておけと(笑)。でも、舞台って本来(公演前に)お客様に何の情報も与えないほうがいいんですよね。映画もそうだと思うんですけど、演劇も来ていただいたお客様が、何が始まるのか知らないほうがいいと思うんです」
寺脇 「今作の、あらすじを明らかにしたり、役どころを説明したら、見る楽しみを半分くらい奪ってしまうと思うんです。舞台が始まる直前の、客席の高揚感ってスゴイじゃないですか?BGMが止まって、客席の照明が落ちる。暗闇の中、どこから人が現れるんだろうとか、ダンスから始まるのか、セリフからなのかまったく分からない。お客さんにそういうドキドキする時間を楽しんでもらおうと、あえて情報を出していないんですよ。普通は、インタビューだと(作品の中身に)ちょっと触れて、『こういうところを舞台にしました』とか『ここが見どころです』みたいなことを言えて当たり前なんでしょうけど、今回に関しては、何も言いません(笑)。何がどうなるか全く予知できない作品だと思います」

ストーリーや役どころが明かされていない一方で、出演者は決定。岸谷、寺脇のほかに、舞台の世界ではその名が知られる実力派がキャスティングされている。

岸谷 「企画書の段階であてがきして集まってもらったんです。僕は、全員の芝居を見ているんですけど、何年前に見たこの人のこの芝居というものが、頭の中にあったんです。彼らはこの作品をきっかけに結び付いた。これも僕の中ではすでに『X day』なんです。(1つ作品をきっかけに)集まれたことが、奇跡ですよ。1人でも違うということがあり得ない、この6人が集まったというのがすごく大事なことで、今度の公演という『X day』へ向けて、ちゃんとスタートを切っているという感じがするんですよ」
寺脇 「五朗とこの舞台のコトを話していたときに、まず舞台というものを自分のモノにしている人たちでやろうかって話していたんですね。ものすごいレベルの人たちが集まってたときに、どうなるんだろうって面白さはあると思うんです。それを五朗が演出して、ゴージャス(の作品)になっていく時にどんな風になるのかなというのは、思いますね」
岸谷 「みんな育ち(出身分野)が違うので、(得意分野が)散らばってれば、散らばっているほどいいんですね。そのまとまりが小さくなってしまうことが一番つまらない。みんなが、バラバラに散らばっているからこそ、(1つにまとまる時に)輪っかが大きくなるんです。当然、そうなるキャスティングだと思います」
寺脇 「高いレベルで舞台を完成させている人たちと共演するわけですから、それは大変です。技術的には、僕なんて、歌にすごく自信があるわけでもないし、高いキーが出るわけでもない。俺と五朗がけいこ中、冗談で『俺と五朗以外はみんな歌える人だ』なんて言っていたら、モリクミさんが、『違うのよ。どんだけ、歌をうまく歌っても、心を持った歌を歌う人にはかなわないのよ』って言ってくれて。僕らは、そういうところで勝負していくしかないので。でも、近くに歌のうまい人がいてくれるっていうのは心強いですよ」