秘境感がすごい!『関越トンネル』の“裏世界”を覗く探検ツアーに参加してきました。

昨今、ダム、橋、道路などの公共施設を観光旅行する『インフラツーリズム』が大人気です。そんなインフラツーリズムが、あの「関越トンネル」で行われるというニュースが編集部に届きました。

キャッチコピーは

「日本最長の山岳道路トンネル『関越トンネル』を専属ガイドがご案内!秘密の「換気塔」を通って山の上へ!」。

おほ~っ!これはおもしろそうですねぇ~!!

ということでさっそく取材を申し込み、行ってきました!

今回参加したのは、NEXCO東日本が開催している「関越トンネル探検」。

関越トンネルといえば、新潟・群馬の県境にある全長約11キロメートル、山岳道路トンネルとしては日本最長のトンネルです。車で東京方面へ出かける機会の多い方にはおなじみのトンネルですよね。

そんな関越トンネルの「秘密」が覗けちゃうというこのツアー。いったいどんなものが見れるんでしょうか?

集合場所は関越自動車道「土樽(つちたる)PA」。関越トンネルの直前に位置するPAです。

引率はNEXCO東日本湯沢管理事務所副所長の能登さん。今日の行程を丁寧に説明してくれました。

これが今日の行程。図の右端「土樽坑口(つちたるこうぐち)」が入り口です。なんやかんやあって最後は図の左端にある筒を登ってフィニッシュとのこと。

流れ的には

「スーッ! → クネッ!クネッ! → スーッ! → スーッ!→ Fin 」

になります。

いよいよ出発!土樽PA脇の側道から土樽坑口へ向かいます。

明らかに一般道とは異なる雰囲気のトンネルです。外は30度にも迫る気温でしたが、トンネルに入った途端に車内はひんやり。なんだか異世界に迷い込んでしまったような感覚に包まれます・・・!

トンネルを半分ほど来たでしょうか。ようやく降車ポイントに到着!いよいよ探検が始まります!

最初に訪れたのは谷川の六年水が飲めるスポット。

谷川岳の雪解け水が約6年を経て浸透したもので、関越トンネル内の地中深部から湧き出してきているんだとか。

さっそく飲んでみましょう!

ズドドドドドドド!!!!(ほほ~!活きの良い水ですねぇ~!)

うんまい!

普段から水道水ばっかり飲んでいる私の体に谷川岳の恵みが染み渡ります。

なお、この「谷川の六年水」は、谷川PAに設置されている水くみ場でも入手することができるんですよ。硬度7mg/L台という超軟水なので、これでお茶やコーヒーを淹れれば、いつもと違う風味が楽しめるはずです。

※探検コースの六年水は生水のため、衛生上の観点から、その場で飲む or 持って帰る場合は煮沸消毒をしてから飲む必要があります。

お次のチェックポイントは「電気室」。関越トンネルの電気系統をつかさどる心臓部です。

なんらかの装置がズラっと並んでいます。おもむろに適当なボタンを押したくなってくるかもしれませんが、絶対にやめましょう。

関越トンネルは県境にまたがっていることから、日本で唯一、2つの電力会社からの電力供給を受けているトンネルなんだそうで、トンネル内の照明は、上り線・下り線ともに、走行車線側は東京電力追い越し車線側は東北電力からの電気供給でまかなわれているんだとか。

これにより、災害等でどちらか一方の電力会社からの電力供給がストップしても、トンネル内は停電せずに照明が確保されるという仕組みになっているのです。

車で関越トンネルを通過する際には、この豆知識をしたり顔で披露しましょう(笑)。

電気室を通り抜けたところには「換気所」があります。トンネル内の汚れた空気を排出すると同時にトンネル内に新鮮な空気を取り込むため、巨大な送風機排風機がそれぞれ2本ずつ、上り線、下り線合わせて8本備わっています。

排ガス規制が進んだ今でこそ稼働量は少な目だそうですが、排気ガスに黒い「すす」が多く含まれていた時代は、この換気システム無しでは安全な視界を確保することは不可能だったそうです。

換気所の裏側には巨大なファンが。成人男性の背丈ほどもあろうかという大きさです!あの巨大なトンネルに風を行き渡らせるわけですから、これくらいのスケールが必要なんですね。

こちらが「風洞」。風の通り道です。長さは300メートルほどもあります。ひとたび換気が始まれば、ここに風速20メートルの風が流れ込むそうです。ちょっと体験してみたい気もしますが、安全上、換気は風洞に人がいないことを確認した後に行われるそうです。(残念!)

いよいよこの探検ツアーのメインイベント「換気塔」(正確には換気塔の横に設置された「らせん階段」)に到着!

この全600段(全高180メートル)を踏破しなければこの探検ツアーの醍醐味は味わえません。

らせん階段の物々しい雰囲気とこれから味わう地獄(有酸素運動)を前に、参加者の間に緊張が走ります・・・!

踏み板の幅は55センチ。「らせん階段」と言いながらも「四角形」な階段をひたすら上ります。

純粋な「らせん状」にしてしまうと、転倒した際にノンストップで下まで滑落してしまう恐れがあるため、あえてこの形状になっているんだとか。

「真ん中の穴から下を覗いてみた」の図。

ヒェッ・・・!

高いところが苦手な私。見てしまったことを秒で後悔。

上り続けること25分。そしてついに!

頂上に到着!

太ももに深刻な違和感を感じながらも、なんとか最後まで上り切りました・・・!

扉の外に広がっていたのは、雄大な谷川岳を望む大パノラマ

がんばってきてよかった~!

※クリックで画像が拡大します。

山頂でしばらく休んだ後は、参加者全員で記念撮影。

この景色だけでも「来た価値アリ」と思える素敵なツアーでした!

いつもは何気なく通過している関越トンネルにこんな裏側があるなんて、思ってもみませんでした。

普段は絶対に入れない場所」という特別感も手伝って、その感動はひとしお。

ご興味のある方はぜひ参加してみてくださいね。

(Komachi Web 和田)

情報は掲載当時のものです。念のため電話で情報をお確かめになってからお出かけください。閉店店舗については、随時メンテナンスを行っています。間違いを通報する