地上波放送予定も掲載!「2018 FIFAワールドカップ ロシア大会」注目ニュースまとめ《前編》

Komachi Webでは、「2018 FIFAワールドカップ ロシア大会」を戦う日本代表チームや、その他、大会にまつわる注目ニュースを配信します。これを読めば今回のワールドカップがより一層楽しくなること間違いなし!地上波の放送予定も掲載していますので、視聴の計画を立てるのにも便利ですよ。ぜひお楽しみに。

後編はこちらから→ 「2018 FIFAワールドカップ ロシア大会」注目ニュースまとめ《後編》

記事提供:(株)東京ニュース通信社

目次

【第12回】【W杯・グループH展望】乾貴士らの活躍で日本代表に光は見えたか? 初戦での勝ち点奪取が大事

2018年6月16日(土)公開

写真:アフロ

西野朗監督就任後、日本代表はガーナに0-2、スイスに0-2と連敗していただけに、6月12日に行われた最後のテストマッチで、パラグアイに勝利できたことはプラスであろう。一つの結果を手にして日本代表は、決戦の地・ロシアに乗り込むことができる。

4-2で勝利したパラグアイ戦では、新シーズンからベティスでプレーすることが決まったMF乾貴士が2得点、トップ下で起用されたMF香川真司も試合終盤にゴールを決めるなど、目に見える結果を残した。中盤の底で起用されたMF柴崎岳も、スペインで培った強さと、持ち前のパスセンスを発揮。前半0-1の劣勢から逆転した展開も含めて見事だった。彼らの奮起を受けて、西野監督は、いよいよ迎える本番、6月19日のコロンビア戦で、誰を先発で起用するか悩ましいところだろう。

ただ、この1勝で安堵するのは早計だ。0-2で敗れたスイスは、ワールドカップに出場する一方で、4-2で勝利したパラグアイは南米予選で敗退している。今回のワールドカップに出場しないため、チームとしての完成度やコンディション、さらにはモチベーションに至るまで、スイスはもちろんのこと、グループステージで対戦する3カ国よりも大きく劣る状況にあった。そのパラグアイ戦では、特に後半になると日本はボールを保持して優位にゲームを進めたが、果たして初戦でぶつかるコロンビアがあそこまでボールを持たせてくれるだろうか…。

日本を含めたコロンビア、セネガル、ポーランドでグループHは争われるが、FIFAランキングを見ても日本が最も格下である。ポーランドが8位、コロンビアは16位、セネガルは27位で、ちなみに日本は61位。このランキングが単純に試合の優劣を決めるものではないが、指標として捉えてもかなりの差がある。

実際、初戦で対戦するコロンビアはかなりの強敵である。トップ下のMFハメス・ロドリゲスは現在26歳、選手として最も脂が乗っている。前回大会はけがで欠場したFWラダメル・ファルカオも今回は万全で、MFファン・ギジェルモ・クアドラードとMFマテウス・ウリベが2人のエースをしっかりと補完する。直前の親善試合2試合で無得点に終わっているのは、日本にとって朗報だが、中央とサイドの両方から仕掛けてくる攻撃は迫力がある。前回大会で1‐4と敗れている日本は、その差を埋め、勝ち点を奪うことができるだろうか。初戦だけに勝ち点3といわずとも、勝ち点1は取りたいところだ。

第2戦で日本が対戦するのはセネガル。アフリカ勢と聞くと、前回大会の初戦でコートジボワールに1-2で敗れた記憶が甦る。その時のコートジボワール同様、セネガルもFWケイタ・バルデ・ディアオ、FWサディオ・マネと、攻撃陣に身体能力の高いタレントを擁している。ウイングを務めるケイタ、マネの両翼を、日本はそれぞれのサイドバックとセンターバックで押さえられるかがポイントになるだろう。2人はスピードがあるだけに、カウンターも警戒しなければならない。前掛かりになって攻撃を仕掛けているときほど、注意を払う必要がある。

第3戦で対戦するポーランドも、世界に名の知られるストライカーを擁している。バイエルン・ミュンヘンでプレーする点取り屋、FWロベルト・レヴァンドフスキだ。スピードあり、高さあり、テクニックありと、ストライカーに必要な要素をすべて兼ね備えるレヴァンドフスキは、DFの裏に抜け出す動きもうまければ、クロスに合わせる動きも卓越している。まさに、どこからでも、いかなる形からでも得点を挙げる力がストライカーだ。日本の守備陣はこの相手エースを徹底マークすることになるが、そこに人数をかけすぎると、2列目のMFピオトル・ジエリンスキや両サイドのMFカミル・グロシツキ、MFグジェゴジュ・クリホヴィアクにやられかねない。ただ、ポーランドは組織的に戦ってくることが予想されるだけに、日本も必ず主導権を握る時間帯が訪れるはず。そうした時間帯やチャンスを、パラグアイ戦で結果を残した乾であり、香川、さらにはFW大迫勇也らが決めきれるか。

グループステージで対戦する3カ国は、いずれも攻撃陣に強力なタレントを擁している。大会直前に監督交代を行った日本が準備不足なのは否めない。ただ、ワールドカップは4年に一度の大舞台である。限られた時間の中で試行錯誤してきた組織力で相手のエースを押さえ、好機を活かして勝ち点をもぎ取りたい。世界的にはポーランドとコロンビアが優位と見られているが、番狂わせを起こして世界を驚かせてほしい。

文/原田大輔

【グループH/FIFAランキング(W杯出場回数)】

ポーランド/8位(3大会ぶり8回目)

セネガル/27位(4大会ぶり2回目)

コロンビア/16位(2大会連続6回目)

日本/61位(6大会連続6回目)

【グループH/放送スケジュール】

日本×コロンビア

6月19日(火)
NHK総合 午後8:45~11:10(生中継)

6月20日(水)
日本テレビ系 午前8:00~10:25(録画)
NHK BS1 午後7:00~8:50(録画)

6月23日(土)
NHK BS1 深夜0:00~1:40(録画)

ポーランド×セネガル

6月19日(火)
NHK総合 午後11:45~深夜2:00(生中継)

6月20(水)
NHK BS1 午後5:00~6:50(録画)

日本×セネガル

6月24日(日)
日本テレビ系 午後10:00~深夜2:30(生中継)
NHK BS1 午後11:00~深夜2:10(生中継)

6月25日(月)
テレビ朝日系 午前8:00~10:25(録画)
NHK BS1 午後8:00~9:50(録画)

ポーランド×コロンビア

6月24日(日)
TBS系 深夜2:40~翌午前5:25(生中継)

6月25日(月)
NHK BS1 午後6:00~7:50(録画)

日本×ポーランド

6月28日(木)
フジテレビ系 午後9:00~深夜2:00(生中継)

6月29日(金)
フジテレビ系 午前8:00~10:30(録画)

NHK BS1 午後8:00~9:50(録画)

6月30日(土)
BSフジ 午後2:30~4:55(録画)

セネガル×コロンビア

6月28日(木)
NHK総合 午後10:45~深夜1:00(生中継)

6月29日(金)
NHK BS1 午後4:00~5:50(録画)

※都合により放送時間が変更になる場合があります。

【第11回】【W杯・グループG展望】ベルギー代表の注目は司令塔エデン・アザール。イングランドにも期待!

2018年6月16日(土)公開

写真:ロイター/アフロ

 率直に言って、グループGが一番楽しみかもしれない。それは過酷なグループだからとか、4カ国が実力伯仲だからというのではなく、世界的に注目を集めるベルギーとイングランドが期待通りの結果を残すのか、それとも期待外れに終わってしまうのかが、まずグループステージの3試合で分かるからだ。

6月7日付けで発表された最新のFIFAランキングでも3位につけるベルギーは、文字通り史上最強のメンバーだろう。注目は司令塔のFWエデン・アザールである。テクニックを生かした高速ドリブルを武器に、自らDFを突破してゴール前に侵入できるアザールは、ゴールも決められれば、決定機も演出できる。他で数的優位を作り出すことのできる貴重な選手である。その彼と2列目でコンビを組むのが、よりゲームメーク能力に特徴のあるMFケヴィン・デ・ブライネだ。彼らが織り成す攻撃をフィニッシュするストライカーには、190cmの長身を誇るFWロメル・ルカクがいる。サイドにもMFヤニック・フェレイラ・カラスコとDFトーマス・ムニエ、中盤の底にはMFアクセル・ヴィツェル、MFムサ・デンベレとサポートも万全。守備陣もDFヴァンサン・コンパニ、DFトビー・アンデルヴァイレルト、GKティボー・クルトワと、いずれも欧州の強豪クラブでプレーする選手たちばかりだ。

イングランドも同様だ。今や世界最高峰のタレントを擁するといわれるプレミアリーグで、全世界の一流選手たちとの激しい競争を勝ち抜き、試合に出ている猛者(もさ)がそろっている。FWハリー・ケインはポストプレーもできれば、DFの裏に抜け出す動きにも長けたストライカーで、2列目のFWラヒーム・スターリングはスピード、MFデレ・アリはテクニックを武器にしている。また、伝統の4バックを捨てて3バックにチャレンジしている姿勢も、これまでのイングランドとは一線を画す。20歳のマーカス・ラッシュフォード、19歳のトレント・アレクサンダー・アーノルドがメンバー入りしていて、若手とベテランが融合しているのもいい。

ベルギーにしても、イングランドにしても、何かをやってのけそうな機運と雰囲気が高まっている。ただ、ベルギーは4年前も期待されながらベスト8に終わっている。イングランドに至ってはグループステージで敗退する憂き目に遭った。ベルギーは前回大会で注目され、今大会がまさに集大成を見せるピークとなるが、イングランドに関しては毎回、期待されながら、過去5大会ではベスト8の壁を超えられずにいる。果たして今回は、いい意味で、そうした歴史を打ち破る活躍を見せてくれるのだろうか。

その2カ国としのぎを削るのは、パナマとチュニジアだ。北中米・カリブ海地区予選を3位で通過したパナマは今大会が初出場となる。そのため目標は初勝利。シンプルなカウンターサッカーを指向するチームは、FWブラス・ペレスとガブリエル・トーレスの足に、歴史的1勝は懸かっている。

チュニジアは3大会ぶり5回目の出場となる。1998年フランスワールドカップから3大会連続で出場していたのは過去の話で、いずれもグループステージで敗退している。最後に出場した2006年ドイツワールドカップでは0勝1分2敗と、未勝利に終わっているだけに、パナマ同様まずは1勝したいところ。その両国に対して、ベルギーとイングランドの2カ国は格の違いを見せつけて、グループステージを突破できるか。注目のベルギーとイングランドの直接対決は6月28日の第3戦だけに、両者ともにそれまでに2勝して、突破を決めてしまいたいはず。

ちなみに、このグループGを突破したチームは、日本のいるグループHを勝ち上がったチームと、決勝トーナメント1回戦で対戦することになる。

文/原田大輔

【グループG/FIFAランキング(W杯出場回数)】

ベルギー/3位(2大会連続13回目)

パナマ/55位(初出場)

チュニジア/21位(3大会ぶり5回目)

イングランド/12位(6大会連続15回目)

【グループG/放送スケジュール】

ベルギー×パナマ

6月18日(月)
フジテレビ系 午後11:00~深夜2:10(生中継)

6月19日(火)
NHK BS1 午後5:00~6:50(録画)

チュニジア×イングランド

6月18日(月)
NHK総合 深夜2:45~翌午前5:00(生中継)

6月19日(火)
NHK BS1 午後7:00~8:50(録画)

ベルギー×チュニジア

6月23日(土)
フジテレビ系 午後7:57~11:10(生中継)

6月24日(日)
NHK BS1 午前8:00~9:50(録画)

イングランド×パナマ

6月24日(日)
NHK総合 午後8:45~11:00(生中継)

6月25日(月)
NHK BS1 午後4:00~5:50(録画)

パナマ×チュニジア

6月28日(木)
日本テレビ系 深夜2:40~翌午前5:10(生中継)

6月29日(金)
NHK BS1 午後2:00~3:50(録画)

イングランド×ベルギー

6月28日(木)
NHK総合 深夜2:45~翌午前5:00(生中継)

6月29日(金)
NHK BS1 深夜0:50~2:30(録画)

※都合により放送時間が変更になる場合があります。

【第10回】【W杯・グループF展望】クロース、ミュラーら前回優勝経験ありのドイツが1位通過を目指す!

2018年6月16日(土)公開

写真:ロイター/アフロ

グループFには、前回王者であり、前哨戦となるコンフェデレーションズカップでも優勝したドイツがいる。指揮官であるヨアヒム・レーヴ監督は2006年から10年以上も指揮しており、チームとしての成熟度においても、完成度においても他を凌駕(りょうが)している。それだけにドイツは今大会も間違いなく優勝候補の一つだろう。

ただ、ワールドカップ本番が迫った今、そのドイツに暗雲が立ち込めている。欧州予選を全勝で勝ち上がったところまでは良かったが、特に今年に入り親善試合では結果が出ていないのだ。3月のインターナショナルウィークでは、スペインに1−1、ブラジルに0−1と未勝利に終わっただけでなく、6月2日のオーストリア戦でも1−2で競り負けた。この敗戦を受けて、さすがのレーヴ監督も激怒。選手たちに発破をかけると、続く6月8日のサウジアラビア戦ではようやく2−1で勝利した。とはいえ、明らかに実力で劣るサウジアラビアにも試合終盤に失点するなど、どこか不安にかられる。おまけに司令塔のメスト・エジルが2日のオーストラリア戦で負傷したとのニュースも飛び込んできた。出場の有無は明らかになっていないが、エジルはスルーパスをはじめ、1本のパスで違いを見せられ、かつ試合を決定付けられる選手だけに、不在となれば相当な痛手となるだろう。

とはいえ、それでもドイツの優位は揺るがない。もともと優勝を目指すチームは、徐々にコンディションを上げていくもの。現時点でパフォーマンスが上がっていないのは当たり前で、グループステージを戦いながら調整していく。日本のようにピークがグループステージにあるチームと、(決勝まで)7試合を戦う想定でチーム作りを進めていくチームでは、その過程は大きく異なる。

戦力を見渡せば、DFマッツ・フンメルス、MFトニ・クロース、MFトーマス・ミュラーと前回大会で優勝を経験した選手も多く、DFヨシュア・キミッヒ、FWティモ・ヴェルナーと若手も融合している。前回大会も死の組といわれるグループを突破して優勝を成し遂げたように、今大会もメキシコ、スウェーデン、韓国を押さえて、しっかりと1位突破してきそうだ。何よりドイツも、ベスト16でグループEを1位突破してくるであろうブラジルとの対戦は避けたいはず。そのためにはドイツもグループFを1位で通過するしかないのである。

正直、このグループにおいてもアジア勢は劣勢だろう。韓国にとってグループFは、まさに死の組だ。優勝候補であるドイツを筆頭に、実績のあるメキシコ、高さのあるスウェーデンから勝ち点を奪わなければならないのだから……。

メキシコは6大会連続でベスト16に進出している北中米・カリブ地区の雄である。FWハビエル・エルナンデス、MFアンドレス・グアルダード、MFジオバニ・ドス・サントスらは軒並み30歳前後となり、チーム全体の年齢層も高くなってきている。だが、その分、戦術理解度及びチームの成熟度は増している。自慢の運動量と機動力を保ちつつ攻撃する全員サッカーは、予選を見る限り、勝負どころを見極めている。39歳にしてメンバー入りしたメキシコのレジェンド、DFラファエル・マルケスが精神的支柱としてチームをまとめているのも頼もしい。

スウェーデンは自分たちの武器を熟知し、戦い方もはっきりしている。DFの多くは190cm近い長身をそろえ、前線を担うFWオラ・トイヴォネンも192cmと高さに自信を持っている。MFエミル・フォルスベリ、MFヴィクトル・クラーソンのサイド攻撃から、ヘディングに強さを誇るトイヴォネンと、マルクス・ベリが狙う形が必勝パターンである。

グループFは、メキシコかスウェーデンがドイツに続く可能性が高いが、そうした戦前の予想の中で、韓国はどこまで戦えるか。メンバーには、GKキム・スンギュ、MFチョン・ウヨン(共にヴィッセル神戸)、GKキム・ジンヒョン(セレッソ大阪)、DFチョン・スンヒョン(サガン鳥栖)、DFチャン・ヒョンス(FC東京)と5人のJリーガーが参加する。加えて、トッテナムで活躍するFWソン・フンミンが存在感を発揮するのか。同じアジア勢として躍進を期待したい。

文/原田大輔

【グループF/FIFAランキング(W杯出場回数)】

ドイツ/1位(17大会連続19回目)

メキシコ/15位(7大会連続16回目)

スウェーデン/24位(3大会ぶり12回目)

韓国/57位(9大会連続10回目)

【グループF/放送スケジュール】

ドイツ×メキシコ

6月17日(日)
NHK総合 深夜0:00~2:00(生中継)

6月18日(月)
NHK BS1 午後5:00~6:50(録画)

スウェーデン×韓国

6月18日(月)
NHK総合 午後8:45~11:10(生中継)

6月19日(火)
NHK BS1 午後3:00~4:50(録画)

韓国×メキシコ

6月23日(土)
テレビ朝日系 午後11:10~深夜2:10(生中継)

6月24日(日)
NHK BS1 午後5:00~6:50(録画)

ドイツ×スウェーデン

6月23日(土)
TBS系 深夜2:40~翌午前5:10(生中継)

6月24日(日)
NHK BS1 午後7:00~8:50(録画)

メキシコ×スウェーデン

6月27日(水)
TBS系 午後10:00~深夜2:00(生中継)

6月28日(木)
NHK BS1 午後4:00~5:50(録画)

韓国×ドイツ

6月27日(水)
NHK総合 午後10:45~深夜1:00(生中継)

6月28日(木)
NHK BS1 午後2:00~3:50(録画)

※都合により放送時間が変更になる場合があります。

【第9回】【W杯・グループE展望】ネイマール復活のブラジルが優位。2位争いは激戦

2018年6月15日(金)公開

写真:ロイター/アフロ

 ロシアワールドカップに臨むブラジル代表は強い。その認識は、大会直前に行われた親善試合の結果を受けて、より一層、増している。ヨーロッパで調整を続けるブラジルは、6月3日に行われたクロアチア戦に2−0で勝利すると、続く6月10日のオーストリア戦でも3−0と快勝している。

この2試合では、2月下旬に負ったけがから復帰したばかりのFWネイマールも出場。今大会に臨むブラジルにとって、エースのコンディションが唯一の懸念材料と言われていたが、クロアチア戦では後半から途中出場すると、先制点をマーク。続くオーストリア戦でも連続ゴールを記録し、高らかに復活をアピールした。加えて2試合ともに無失点。そこに今大会に挑むブラジルの強さが見え隠れする。

ペレにはじまり、ジーコ、ロマーリオ、ロナウドと、名だたるストライカーを輩出してきたことで攻撃的なイメージの強いブラジルだが、チッチ監督が率いるブラジルは堅守でも知れられている。DFチアゴ・シウヴァとDFミランダ、もしくはDFマルキーニョスが形成するセンターバックは対人に強く、相手のパスを寸断するインターセプトにも長けている。欧州や南米の屈強なFW陣を抑え込む力と、頭脳的なプレーで試合を読む力、その両方を備えているのだ。さらに堅守を現実のものとしているのが、最終ラインの前に位置する3枚のMFだ。MFカゼミーロは機動力があり、ピッチ全域をカバーする。MFパウリーニョもMFレナト・アウグストも守備意識が高く、ボールを奪い切る力と、ボールを支配するキープ力がある。その陣容は強固としか言いようがなく、まさに手堅いブラジルとでも言えばいいだろうか。

また、守備だけで終わらないのもブラジルの魅力だ。名前を挙げた中盤の3枚は、縦への推進力があり、チャンスではたびたびゴール前に顔を出すことで、攻撃に迫力をもたらす。そして、そのチャンスを作り出すのが、左サイドのネイマールと右サイドのコウチーニョだ。ともにドリブルで突破する力を有するアタッカーは、それぞれサイドバックとの連係により、決定機を演出する。ネイマールに至っては、1人で好機を作り出せれば、そのままフィニッシュする力もある。仕上げをするガブリエウ・ジェズスは、ゴールを陥れるという表現がぴったりの嗅覚鋭いストライカーで、クロスやこぼれ球を簡単に決めてしまう。まさにブラジルには穴が見当たらない。

そのブラジルは、グループD突破の最有力候補というだけでなく、優勝候補筆頭に押されているのは、チームとしての完成度の高さもされることながら、4年前の雪辱を果たそうと選手たちが燃えているところにもある。思い返せば前回のワールドカップ。開催国として6度目の優勝を義務づけられていたブラジルは、準決勝でドイツに1−7と惨敗した。その歴史的大敗にブラジル国民は大きく落胆し、選手たちは強く糾弾された。それだけに、この4年間は、悔しさを晴らすためにあったと言っても過言ではない。並々ならぬ決意でロシアに臨むブラジルの目標はグループステージ突破などではなく、タイトル以外にない。

ただし、ブラジルが牽引するグループEは、実力国がそろっている。親善試合で日本と対戦して2−0で勝利を飾ったスイスは、FIFAランキングでも6位に位置する強豪。中盤には、重戦車のような身体をしたMFジェルダン・シャキリ、アーセナルでプレーするMFグラニト・ジャカといぶし銀の選手がそろっている。爆発力はそれほどないが、チームとしての組織力は高い。

セルビアも激戦区といわれるヨーロッパ予選を1位通過してきた猛者(もさ)である。世界的なスーパースターはいないものの、トップ下のアデム・リャイッチ、強烈なミドルを持つセルゲイ・ミリコヴィッチ=サヴィッチら、技術の高い攻撃陣を擁し、中盤の底にはスパイダーの異名を持つネマニャ・マティッチが構えている。コスタリカにしても前回大会でベスト8進出を果たしており、侮れない。

ブラジルがグループステージでつまづくことはまず考えられないが、勝ち点を落とすようなことになれば、グループEは混戦になるだろう。ブラジル優位は崩れないが、間違いなく2位争いは熾烈(しれつ)を極める。

文/原田大輔

【グループE/FIFAランキング(W杯出場回数)】

ブラジル/2位(21大会連続21回目)

スイス/6位(4大会連続11回目)

コスタリカ/23位(2大会連続5回目)

セルビア/34位(2大会ぶり12回目)

【グループE/放送スケジュール】

コスタリカ×セルビア

6月17日(日)
フジテレビ系 午後7:57~11:54(生中継)

6月18日(月)
NHK BS1 午後3:00~4:50(録画)
ブラジル×スイス

6月17日(日)
NHK総合 深夜2:45~翌午前5:00(生中継)

6月18日(月)
NHK BS1 午後7:00~8:50(録画)

ブラジル×コスタリカ

6月22日(金)
テレビ朝日系 午後8:00~深夜0:00(生中継)

6月23日(土)
NHK BS1 午後1:00~2:50(録画)

セルビア×スイス

6月22日(金)
NHK総合 深夜2:45~翌午前5:00(生中継)

6月23日(土)
NHK BS1 午後5:00~6:50(録画)

スイス×コスタリカ

6月27日(水)
フジテレビ系 深夜2:40~翌午前5:10(生中継)

6月28日(木)
NHK BS1 深夜0:50~2:30(録画)

セルビア×ブラジル

6月27日(水)
NHK総合 深夜2:45~翌午前5:00(生中継)

6月28日(木)
NHK BS1 午後8:00~9:50(録画)

※都合により放送時間が変更になる場合があります。

【第8回】【W杯・グループD展望】メッシ擁するアルゼンチンが苦戦の予感!? アイスランドの躍進にも期待!

2018年6月15日(金)公開

写真:AP/アフロ

4年前のワールドカップ決勝で、アルゼンチンはドイツに0−1で敗れ、準優勝に終わった。リオネル・メッシはまたしてもワールドカップを掲げることはできなかった――それだけにロシアの地で、メッシが、アルゼンチンが目指すのはただ一つ――世界の頂点である。

ところが、アルゼンチンは南米予選で大苦戦した。一時は出場も危ぶまれる5位へと転落し、途中には指揮官が2人も交代した。ホルヘ・サンパオリ監督が就任して、ようやく息を吹き返したが、最終戦でエクアドルに勝利して出場権を獲得するバタバタだった。その試合でチームを救ったのは、やはりメッシだった。負けられないエクアドル戦でメッシはハットトリックをマーク。文字通りエースは、自らの活躍で道を切り開いた。

時に高地での戦いを強いられるなど、南米予選は本大会以上に一癖も二癖もある。予選と本大会は別物。これはサッカー文化の根付く南米の常識だったりもする。

タレントを見れば、こと前線に関しては、アルゼンチンがグループDで突出している。メッシだけでなく、ドリブラーとしてはパリ・サンジェルマンのMFアンヘル・ディ・マリアもいれば、マンチェスター・シティのFWセルヒオ・アグエロもいる。そのアグエロは得点源としても期待でき、ストライカーにはユヴェントスのFWゴンサロ・イグアインとFWパウロ・ディバラもいる。こぞって欧州の強豪でプレーする彼らは、今季のリーグ戦でメッシが34得点、ディバラが22得点、アグエロが21得点、イグアインが16得点、ディ・マリアが11得点と、全員が2桁得点をマークしている。セリエAで29得点を挙げ、得点王になったマウロ・イカルディが代表から落選するほどの攻撃陣なのだ。

そんなアルゼンチンの不安要素といえば、守備であろう。スペインとの親善試合で大量6失点を喫したように、攻撃に偏るあまり、もろさが目立つ。国内最後の壮行試合は4−0で快勝したとはいえ、対戦相手は格下のハイチだった。6月9日に予定されていたイスラエルとの試合が中止になるなど、調整の遅れも懸念される。資金面で苦しむアルゼンチンサッカー協会の影響が、ピッチにも現れてしまいそうだ。

何より、グループDはアルゼンチンにとって決して楽なグループではない。クロアチアは強固な組織力を誇っており、アルゼンチンの攻撃をいなす老獪(ろうかい)さも備えている。もはや数少なくなったファンタジスタとでもいえばいいだろうか、司令塔ルカ・モドリッチのゲームコントロールは特筆ものだ。中盤の底には、メッシとバルセロナでチームメートのMFイヴァン・ラキティッチもいる。常日頃からメッシと練習してきただけに、その怖さも知っていれば、止める術(すべ)も熟知しているはず。

アフリカの雄、ナイジェリアにしても一発がある。かつてのようにタレントの宝庫とまではいえないが、それでもFWヴィクター・モーゼス、FWケレチ・イヘアナチョ、MFウィルフレッド・エンディディ、さらにはMFジョン・オビ・ミケルと名の知れた選手たちがいる。個々の身体能力はずば抜けていて、行けると分かった時の勢いは欧州や南米のそれを凌駕(りょうが)している。

最後にアイスランドは個人的にも応援したくなる。イギリスの遥か北、グリーンランドに近いところに位置する小国は、強固な守備と組織力によって、欧州予選を1位突破すると、初のワールドカップ出場を勝ち取った。人口は約30万人で、東京でいえば一つの区程度の人口だ。その小国がワールドカップの舞台に初めて立つ。日本が1998年ワールドカップに初出場して沸いた時の興奮がよみがえる。世界に名を知られたスター選手は不在だが、MFギルフィ・シグルズソンを中心に11人、いや23人で戦う。そのアイスランドの徹底された守りは、世界屈指の攻撃力を誇るアルゼンチンをも苦しめるかもしれない。

文/原田大輔

【グループD/FIFAランキング(W杯出場回数)】

アルゼンチン/5位(12大会連続17回目)
アイスランド/22位(初出場)
クロアチア/20位(2大会連続5回目)
ナイジェリア/48位(3大会連続6回目)

【グループD/放送スケジュール】

アルゼンチン×アイスランド

6月16日(土)
NHK総合 午後9:45~深夜0:00(生中継)

6月17日(日)
NHK BS1 午後8:00~9:50(録画)

クロアチア×ナイジェリア

6月16日(土)
日本テレビ系 深夜3:40~翌午前6:10(生中継)

6月17日(日)
NHK BS1 深夜0:50~2:30(録画)

アルゼンチン×クロアチア

6月21日(木)
日本テレビ系 深夜2:40~翌午前5:10(生中継)

6月22日(金)
NHK BS1 午後8:00~9:50(録画)

ナイジェリア×アイスランド

6月22日(金)
NHK総合 午後11:45~深夜2:00(生中継)

6月23日(土)
NHK BS1 午後3:00~4:50(録画)

アイスランド×クロアチア

6月26日(火)
日本テレビ系 深夜2:40~翌午前5:10(生中継)

6月27日(水)
NHK BS1 深夜0:50~2:30(録画)

ナイジェリア×アルゼンチン

6月26日(火)
NHK総合 深夜2:45~翌午前5:00(生中継)

6月27日(水)
NHK BS1 午後8:00~9:50(録画)

※都合により放送時間が変更になる場合があります。

【第7回】【W杯・グループC展望】ジルー、グリーズマンらの活躍に注目! フランスの1位通過は確実

2018年6月14日(木)公開

写真:AP/アフロ

 期待値の高いフランスの実力はどれほどだろうか。タレントぞろいのフランスは、ドイツやブラジルに続き、優勝候補に挙げられている。ただ、自国開催だった1998年大会で初優勝して以来、毎回のように優勝候補に推されながら、2006年の準優勝を最後にベスト8の壁を越えられずにいる。それだけにグループステージは、フランスの真価を図る絶好の機会といえるだろう。

期待値の高いフランスの実力はどれほどだろうか。タレントぞろいのフランスは、ドイツやブラジルに続き、優勝候補に挙げられている。ただ、自国開催だった1998年大会で初優勝して以来、毎回のように優勝候補に推されながら、2006年の準優勝を最後にベスト8の壁を越えられずにいる。それだけにグループステージは、フランスの真価を図る絶好の機会といえるだろう。

1トップを務めるのは、チェルシーに所属するFWオリヴィエ・ジルーだ。ポストプレーを得意とし、前線で起点を作れるエースは、献身的な動きもさることながら、一刺しでゴールを決める嗅覚も持ち合わせている。実際、5月28日のアイルランド戦でも先制点をマーク。現代表において最多得点記録者の実力はダテではない。

2列目より後ろは、まさにタレントの宝庫だ。トップ下には、バルセロナが獲得に動いているといわれるFWアントワーヌ・グリーズマンが構える。両翼には背番号10を託されたキリアン・ムバッペ、背番号11を付けるウスマン・デンベレの2人が担う。この2人は前者が19歳で、後者が21歳。若さみなぎる運動量はもちろんのこと、したたかさも持ち合わせているから末恐ろしい。テクニックを駆使したドリブルは、スピードに乗ったら手がつけられず、そこに緩急も組み合わさるのだから、対戦するオーストラリア、ペルー、デンマークのDFはたまったものではないだろう。実際、デンベレは6月1日に行われたイタリアとの親善試合で、左サイドを突破すると、驚異的な切り返しで2人のDFを出し抜き、豪快なシュートを決めている。

その後ろには、MFエヌゴロ・カンテ、MFポール・ポグバと広範囲をカバーできる中盤が控えているのだから、支配力と機動力は圧倒的だ。控えになる選手も軒並みヨーロッパの強豪クラブに在籍しているように、強いて欠点を挙げれば、指揮官がどの組み合わせが最適かを迷ってしまうことだろう。

そこにフランスの懸念材料が見え隠れする。どこかチームとして1枚になれず、一つ綻ぶと大崩れすることが歴史的に多いのだ。チーム内の不協和音が露呈することもしばしば。それを回避するため、1998年大会の優勝メンバーであり、キャプテンでもあったディディエ・デシャン監督にチームを託しているのだが、大会期間中も選手たちの手綱を締めることができるか。それがフランス躍進の鍵を握っている。

そのフランスが初戦で対戦するのはオーストラリア。こちらは今年1月に指揮官交代を決断し、ベルト・ファン・マルヴァイク体制になったばかり。日本もさんざん手を焼いたFWティム・ケーヒルという38歳の大ベテランがいるとはいえ、フランスを相手にすれば大量失点もあり得そうだ。

対抗はデンマークだろうか。トップ下を担うMFクリスティアン・エリクセンを筆頭に、MFウィリアム・クビスト、FWニコライ・ヨルゲンセンといぶし銀の選手が揃っている。予選を見ても3得点以上を記録した試合が4試合(プレーオフを入れれば5試合)あり、戦術がうまくはまれば、フランスとの撃ち合いを制する可能性もある。

残るペルーもくせ者だ。大エースのFWパオロ・ゲレーロが、昨年10月、試合後のドーピング検査でコカインが検出され、1年間の出場停止処分を科された。本人は意図的に同薬物を摂取したことを否定。これが認められ、処分期間が6カ月に短縮されたことで5月に復帰していた。ところが、世界アンチドーピング機構がこれに不服を申し立て、最初の裁定どおり1年間の出場停止処分へと期間が延長。再びゲレーロがこれに上訴した結果、暫定的な措置によりW杯出場が可能になった。まさにすったもんだした結果、ゲレーロはW杯への出場資格を得たわけだが、ペルー国民はこの決定に大いに沸いている。それほどゲレーロの存在は大きく、エースが加わったチームは一体感を増している。親善試合ではスコットランドに2−0、サウジアラビアに3−0と快勝。サウジアラビア戦ではゲレーロが2得点を決め、復活の狼煙を挙げた。

1位通過はフランスで揺るぎそうにない。グループCもう一つの切符は、デンマークとペルーが争うことになりそうだ。

文/原田大輔

【グループC/FIFAランキング(W杯出場回数)】

フランス7位(6大会連続15回目)
オーストラリア36位(4大会連続5回目)
ペルー11位(9大会ぶり5回目)
デンマーク12位(2大会ぶり5回目)

【グループB/放送スケジュール】

フランス×オーストラリア

6月16日(土)
NHK総合 午後6:43~9:00(生中継/一部、S2で放送)

6月17日(日)
NHK BS1 午後4:00~5:50(録画)

ペルー×デンマーク

6月16日(土)
フジテレビ系 深夜0:10~3:10(生中継)

6月17日(日)
NHK BS1 午後6:00~7:50(録画)

デンマーク×オーストラリア

6月21日(木)
フジテレビ系 午後7:57~11:48(生中継)

6月22日(金)
NHK BS1 午後2:00~3:50(録画)

フランス×ペルー

6月21日(木)
NHK総合 午後11:45~深夜2:00(生中継)

6月22(金)
NHK BS1 午後4:00~5:50(録画)

デンマーク×フランス

6月26日(火)
テレビ朝日系 午後10:10~深夜1:56(生中継)

6月27日(水)
NHK BS1 午後2:00~3:50(録画)

オーストラリア×ペルー

6月26日(火)
NHK総合 午後10:45~深夜1:00(生中継)

6月27日(水)
NHK BS1 午後4:00~5:50(録画)

※都合により放送時間が変更になる場合があります。

【第6回】【W杯・グループB展望】タレントぞろいのポルトガル&スペインの2強。波乱は起きるのか?

2018年6月14日(木)公開

写真:ロイター/アフロ

率直に言ってワクワクする。まさにこれぞワールドカップという醍醐味(だいごみ)が大会2日目にして味わうことができるのだ。強豪がひしめく、いわゆる“死のグループ”がないと言われている今大会、グループステージから強豪同士がぶつかる試合というのは、かなり少ない。それだけに6月15日(日本時間16日)に行われるポルトガル対スペインの一戦は、今大会を占う上でも注目度は120%である。

グループBの主役もこの2チームで決まりだろう。ポルトガルは、先のユーロ2016で初優勝を飾り、欧州大陸王者として大会に臨んでくる。エースには言わずと知れたクリスティアーノ・ロナウドを擁し、チームは彼を生かすべく堅守速攻をベースにしている。

その絶対的なエース、C・ロナウドに年齢的な陰りが見えているのは確かだが、それを本人も自覚しているからか、かつてのようなドリブル主体ではなく、ゴール嗅覚を生かしたワンタッチゴーラーへとプレースタイルを変えている。何より今のポルトガルには、C・ロナウドを輝かせる名脇役たちが周囲を固めているのもいい。後継者として期待されるMFベルナルド・シルバがサイドからチャンスメークでき、FWゴンサロ・グエデスもドリブラーながら高い得点力を擁している。加えて直前の親善試合では、ベルギー戦、アルジェリア戦ともに無失点と堅い守備が築けている。それだけに攻撃的なスペインを相手にも守り切れる自信はあるだろう。

もちろん、スペインも充実している。前回大会でグループステージ敗退という苦汁をなめたチームは、ポゼッションサッカーに磨きをかけてきた。中央からの攻撃においては、ヴィッセル神戸への加入が発表されたMFアンドレス・イニエスタがいれば、サイドにはレアル・マドリードでチャンピオンズリーグ3連覇を達成したMFイスコ、マンチェスター・シティでプレミアリーグ優勝に貢献したMFダビド・シルバというテクニシャンがそろう。彼らはドリブルとショートパスを使い分け、巧みに攻撃を仕掛ける。中盤の底にも、派手さはないが、世界屈指のボランチ、セルヒオ・ブスケツが構え、相手の攻撃の芽を摘めば、パスをさばいてゲームを組み立てる。唯一懸案だった”NO.9”、エースストライカー問題もジエゴ・コスタがアトレティコ・マドリードで復調したことで解決されそうだ。その攻撃力は、勢いに乗ったら手がつけられず、3月の親善試合ではリオネル・メッシ不在だったとはいえ、あのアルゼンチンに6−1で大勝したほどだ。

グループBはスペインとポルトガルが決勝トーナメントへの切符をつかむとの予想が多いが、不安視するとすれば初戦で両者が対戦してしまうことだろう。第1戦で勝ち点3を落としたチームは、残り2試合での2勝がノルマとなるだけにプレッシャーは計り知れない。コンディションにしても決勝トーナメントを見据えているだけに、上がりきる前に大会が終わってしまう可能性もある。

ただ……イランとモロッコにもチャンスはあると言いたいが、ポルトガルとスペインと比べた時、やはり見劣りしてしまう。強いて挙げればモロッコだろう。フランスにルーツを持つ選手が多く、戦術理解度が高いチームは、MFユネス・ベルハンダ、MFムバラク・ブスファとテクニシャンぞろい。最前線にハリド・ブタイブというエースがいることも大きい。世界最高のセンターバックの一人との呼び声高いDFメディ・ベナティアが守備を統率していることから大崩れすることはなさそうだ。モロッコが初戦でイラクをたたき、勝ち点3を取れれば、もしかしたら波乱が起きるかもしれない…。

文/原田大輔

【グループB/FIFAランキング(W杯出場回数)】

ポルトガル4位(5大会連続7回目)
スペイン10位(11大会連続15回目)
モロッコ41位(5大会ぶり5回目)
イラン37位(2大会連続5回目)

【グループB/放送スケジュール】

モロッコ×イラン

6月15日(金)
NHK総合 午後11:45~深夜2:00(生中継)

6月16日(土)
NHK BS1 深夜1:40~3:20(録画)

ポルトガル×スペイン

6月15日(金)
NHK総合 深夜2:45~5:00(生中継)

6月16日(土)
NHK BS1 深夜0:00~1:40(録画)

ポルトガル×モロッコ

6月20日(水)
テレビ朝日系 午後8:00~深夜0:00(生中継)

6月21日(木)
NHK BS1 午後3:00~4:50(録画)

イラン×スペイン

6月20日(水)
日本テレビ系 深夜2:40~5:10(生中継)

6月21日(木)
NHK BS1 午後7:00~8:50(録画)

スペイン×モロッコ

6月25日(月)
日本テレビ系 深夜2:40~5:10(生中継)

6月26日(火)
NHK BS1 午後8:00~9:50(録画)

イラン×ポルトガル

6月25日(月)
NHK総合 深夜2:45~5:00(生中継)

6月26日(火)
NHK BS1 午後6:00~7:50(録画)

※都合により放送時間が変更になる場合があります。

【第5回】【W杯・グループA展望】スアレス擁するウルグアイが本命!開催国・ロシアの躍進はあるか?

2018年6月13日(水)公開

写真:ロイター/アフロ

開催国の躍進なくして、ワールドカップは盛り上がらない。そのため開催国はグループステージの組み合わせでも恵まれがちだ。今大会のロシアにしても、その傾向は当てはまる。グループAはロシアのほか、ウルグアイ、サウジアラビア、エジプトの4チーム。強豪と呼べるのはウルグアイくらいのもので、開催国にとってはベスト16進出というノルマをクリアしやすいグループになっている。

ただロシアは、その最低限の目標すら達成するのが危うい状況に立たされている。開催国とあって、親善試合では軒並み強豪をホームに迎えて対戦しているが、昨年11月はアルゼンチンに0-1、スペインに3-3と勝利がなく、今年3月もブラジルに0-3、フランスに1-3と完敗した。国内でも「史上最弱」とやゆされるほどだ。

さらに暗雲が立ち込めているのは、チームの肝だった守備陣にけが人が続出したことだ。3バックを統率するはずだったDFヴィクトル・ヴァシンに続き、同じくDFギオルギ・ジキアまでもが負傷により戦線離脱。W杯に間に合わなかった。これによりスタニスラフ・チェルチェソフ監督は、代表引退を宣言していた38歳のDFセルゲイ・イグナシェヴィッチに守備の統率役を頼ることに。さらに直前の親善試合では3バックを諦め、4バックをテストする緊急事態にまで陥っている。

希望としては開幕戦の相手が、最も勝利できる可能性の高いサウジアラビアだという点だろうか。サウジアラビアも昨年11月に監督交代を行っており、“日本よりはマシ”だが、限られた時間でのチーム作りを強いられている。ロシアは開幕戦で勝ち点3を得れば勢いに乗れるだけでなく、地元の声援も後押しとなる。ウルグアイと第3戦で対戦するというのも幸運といえるだろう。

グループAで、頭一つ抜きん出ているのが、そのウルグアイだ。FWは1枚という形が主流になっている昨今だが、そこには強力なFWがいないという各国の事情もある。そうした中、ウルグアイには他国がうらやむ世界屈指のストライカーが2人もいるのだ。バルセロナのFWルイス・スアレスと、パリ・サンジェルマンのエース、エディンソン・カバーニである。

スアレスといえば、前回のブラジル大会で相手選手にかみついて話題となったが、代表ですでに50得点以上を挙げており、破壊力と決定力は十分。一方のカバーニも、セリアA(イタリア)、リーグ・アン(フランス)と二つのリーグで得点王に輝いた実績があるストライカーだ。

加えてウルグアイはアトレティコ・マドリードでコンビを組むDFディエゴ・ゴディンとDFホセ・マリア・ヒメネスが堅守を支えているのも大きい。中盤にはロドリゴ・ベンタンクール(20歳)、ナイタン・ナンデス(22歳)、ジョルジアン・デ・アラスカエタ(24歳)といった運動量とテクニックを併せ持つ若手を擁していて世代交代も進んでいる。まさに1位突破は間違いないと言わんばかりの陣容である。

対抗馬としては、プレミアリーグ得点王のFWモハメド・サラー擁するエジプトを推したいが、ここは疑問符が付く。というのもサラーがUEFAチャンピオンズリーグ決勝で、スペイン代表DFセルヒオ・ラモスと接触して肩を負傷。大会には間に合うとしてメンバー入りしているが、サラーが初戦のウルグアイ戦に出場できるかどうかは未知数。特にエジプトは、サラーの卓越したスピードを生かした堅守速攻をチーム戦術として構築してきた。それだけにスピードスターを欠く状況で、どれだけその攻撃を再現できるか。ただ、それでもエジプトに光りがあるとすれば、指揮官が策士として有名なエクトル・クーペルだということ。初戦で対戦するウルグアイを驚かせる奇策に期待したい。

文/原田大輔

【グループA/FIFAランキング(W杯出場回数)】

ロシア70位(2大会連続11回目)
サウジアラビア67位(3大会ぶり5回目)
エジプト45位(7大会ぶり3回目)
ウルグアイ14位(3大会連続13回目)

【グループA/放送スケジュール】

ロシア×サウジアラビア

6月14日(木)
NHK総合 午後11:45~深夜2:00(生中継)

6月15日(金)
NHK BS 午後6:00~7:50(録画)

エジプト×ウルグアイ

6月15日(金)
フジテレビ系 午後7:57~深夜0:02(生中継)

6月16日(土)
NHK BS1 午後0:00~1:50(録画)

ロシア×エジプト

6月19日(火)
日本テレビ系 深夜2:40~5:10(生中継)

6月20日(水)
NHK BS1 午後3:00~4:50(録画)

ウルグアイ×サウジアラビア

6月20日(水)
NHK総合 午後11:45~深夜2:00(生中継)

6月21日(木)
NHK BS1 午後5:00~6:50(録画)

ウルグアイ×ロシア

6月25日(月)
TBS系 午後10:00~深夜2:00(生中継)

6月26日(火)
NHK BS1 午後2:00~3:50(録画)

サウジアラビア×エジプト

6月25日(月)
NHK総合 午後10:45~深夜1:00(生中継)

6月26日(火)
NHK BS1 午後4:00~5:50(録画)

※都合により放送時間が変更になる場合があります。

【第4回】ムバッペ、ジェズス、ヴェルナー……ロシアW杯でスターの仲間入りをするのは誰?

2018年6月13日(水)公開

写真:AP/アフロ

 アルゼンチン代表のリオネル・メッシが初めてワールドカップの舞台に登場したのは17歳だった。ドイツで開催された2006年ワールドカップに出場したメッシは、グループステージ第2戦のセルビア・モンテネグロ戦に途中出場すると、試合終了間際にゴールを決めて、アルゼンチン代表におけるワールドカップ最年少出場と最年少得点の記録を塗り替えた。それを契機に、メッシはさらにスターダムへと上り詰め、世界最高の選手と呼ばれるまでに至った。イングランドのワンダーボーイと言われたマイケル・オーウェンしかり、ウェイン・ルーニーしかり、ワールドカップの舞台では、次代を担う若手がキラ星のように登場する。それは情報があふれる今の時代においても、きっと変わりはない。4年に一度開かれる世界最高の祭典では、必ず彗星のごとく新しいスターが登場する。

6月14日から開幕するロシアワールドカップに出場する選手で、まず注目したいのがフランス代表のキリアン・ムバッペだ。フランスの強豪、パリ・サンジェルマンでプレーする19歳は、早くもチームで存在感を示している。類いまれなる身体能力を生かしたスピードあるドリブルもさることながら、特筆したいのはその緩急だ。トップスピードから一気に急停止すると、巧みなフェイントで相手を交わす、もしくはパスに切り替えることもできる。それでいて得点力もあり、今季のリーグ戦では13得点、代表でもすでに3得点を挙げている。フランスは優勝候補の一角にも挙げられるほどで、周囲からのサポートも万全。それだけに19歳の背番号10に注目してもらいたい。

続いて推したいのが21歳にしてブラジルのエースストライカーの座を確固たるものにしているガブリエウ・ジェズスだ。母国で開催されたリオデジャネイロ五輪にも出場し、ブラジル初の金メダルに貢献した新鋭は、南米予選で7得点をマークして大活躍。この若きストライカーが卓越しているのは、ストライカーに必要な得点嗅覚だ。ジェズスはゴール前で起こるチャンスというチャンスには必ず顔を出す。スルーパスにも反応できれば、クロスに飛び込むのも抜群にうまい。ネイマールが放ったシュートのこぼれ球にジェズスが素早く反応してゴールを決める。そうした光景が早くも目に浮かぶようだ。

ストライカーでは、ドイツ代表のティモ・ヴェルナーも名声をとどろかせそうだ。今季の欧州で話題をさらったライプツィヒでエースを担う22歳は、DFの裏へ抜けるスピードとポストプレーに長けている。前回優勝国のドイツは、ここのところ親善試合で勝利から遠ざかっていて、司令塔のメスト・エジルがけがにより出場が危ぶまれている。もう一人の得点源、マリオ・ゴメスは32歳とベテランの域に達しているだけに、22歳の新エースが活躍できるかどうかが、連覇への鍵となるだろう。

他にはイングランドのMFデレ・アリ(22歳)、FWマーカス・ラッシュフォード(20歳)もブレークの予感が漂う。伝統の4バックを捨て、3バックにチャレンジしているイングランドにおいて、アリとラッシュフォードの2人は2列目で攻撃を任される選手。創造性豊かなアリはゲームメークもできれば、今季のリーグ戦で18得点を挙げているように、決定力も高い。一方のラッシュフォードはスピードを生かした推進力のあるドリブルが強み。ともに2年前のユーロ2016で大舞台は経験済み。特徴の異なる2人が化学反応を起こせば、ここ最近のワールドカップでは期待外れに終わっているイングランドを上位に導けるかもしれない。

また毎回、ワンダーボーイが登場する傾向にあるイングランドにはトレント・アレクサンダー・アーノルドという新進気鋭のサイドバックもいる。まだ19歳ながら今季のリヴァプールで活躍すると、UEFAチャンピオンズリーグ決勝をも経験。レアル・マドリードに敗れて優勝はいかなかったが、知名度、経験のある相手と互角に渡り合った。

ちなみに今大会に臨む若手としては、日本代表と対戦するセネガルにムッサ・ワゲ(19歳)、イスマイラ・サール(20歳)もいる。前者はサイドバック、後者はFWだ。残念ながら日本には10代でメンバーに選ばれた選手はいない。最年少は23歳のDF植田直通。23人の平均年齢が28.6歳とあって、高齢化が進んでいるとやゆする声もあるが、若手の勢いを経験で押さえ込めるだろうか。

文/原田大輔

【第3回】C・ロナウドだけじゃない。ハメス・ロドリゲス、グリーズマン、イスコ…交友関係も豪華なW杯のイケメン選手たち

2018年6月11日(月)公開

写真:Abaca/アフロ

  ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドはもはや殿堂入りだろう。

いきなり、何の話だと思った読者もいるかもしれないが、ロシアワールドカップに出場するイケメンプレーヤーのことだ。日本国内で流れるCMにも出演している彼は、言わずと知れたスーパースター。かつて甘いルックスで女性のハートを鷲づかみにした、あのデイヴィッド・ベッカムと双璧を成すカリスマ性と言っていい。

続いてフランス代表の貴公子、アントワーヌ・グリーズマン。現在は丸刈りだが、少し前までは自慢の金髪をなびかせてプレーしていた。今やエース的存在へと成長したグリーズマンだが、少年時代は背が低く、線も細かったことから、数々のクラブのテストに落ちた苦労人。18歳で渡ったスペインでブレークすると、アトレティコ・マドリードで大成した。ポジションはいわゆるトップ下。自ら得点もすれば、チャンスメークもするタイプだが、ベッカムの大ファンということから背番号7を付けているところもほほ笑ましい。

他にはスペイン代表のイスコにも注目したい。レアル・マドリードのUEFAチャンピオンズリーグ3連覇という偉業に貢献したイスコは、そのパス技術の高さから、レアルの監督を務めていたジネディーヌ・ジダンを彷彿させると言われるほどの逸材。ワールドカップ後はヴィッセル神戸でプレーするスペイン代表のキャプテン、イニエスタにも「チームの未来はイスコに懸かっている」と言わしめるほどの持ち主だ。髭をはやしているため、少々ワイルドに見えるかもしれないが、よくよく見ると、かわいい顔をしている。プレーとルックスが伴っているイスコの彼女は、スペインで人気の女優、サラ・サラモ。あのペネロペ・クルスと映画で共演することが発表されているほどの女優と付き合っているというから、さすが。ちなみにその彼女は、イスコにとってはライバルチームであるアトレティコ・マドリードの大ファンだというから面白い。ちなみにスペインには、DFセルヒオ・ラモスというオールバックが似合っているワイルドなイケメンもいれば、あの歌姫、シャキーラと結婚したDFジェラール・ピケもメンバーに選ばれているだけに、選手たちを取り囲む環境も華やかだ。

さらに挙げれば、日本代表とグループステージで対戦するコロンビアのエース、ハメス・ロドリゲスも爽やかな正統派イケメンだろう。同じコロンビア代表のGKダビド・オスピナの妹と結婚し、イクメンとして知られていたが、昨年7月に離婚。オスピナと共に今大会のメンバーに選ばれているが、2人の関係性は大丈夫だろうか……少しだけ心配してしまう。

他にも、クロアチアのMFイヴァン・ラキティッチやフランスのFWオリビエ・ジルー、アルゼンチンのFWパウロ・ディバラなども世界的にはイケメンに挙げられているが、好みは人それぞれ。ワイルド系がお好みならウルグアイのFWエディンソン・カバーニやドイツのFWマリオ・ゴメスもたくましさがあったりする。

ワールドカップではお気に入りの選手を見つけるのも楽しみ方の一つ。加えて国際映像では、スーツに身を包んだ紳士や美女がテレビカメラに抜かれることもあるが、お偉い方だったり元選手だったり、選手のパートナーなんてこともよくある。そうしたピッチ外の部分に着目すると、ワールドカップはさらに面白くなるかもしれない。

文/原田大輔

【第2回】メッシ&C・ロナウドが挑む! スーパースターが唯一手にしていないW杯優勝という称号

2018年6月8日(金)公開

写真:AP/アフロ

  ロシアワールドカップの主役は誰かと問われたら、この2人で間違いないだろう。アルゼンチン代表のFWリオネル・メッシと、ポルトガル代表のFWクリスティアーノ・ロナウドである。

2人が初めてワールドカップの舞台に登場したのは、かれこれ4大会前の2006年。当時17歳ながらメンバーに選ばれたメッシは、グループステージ第2戦で途中出場すると、アルゼンチン代表のワールドカップにおける最年少出場と最年少得点記録を塗り替えた。一方のC・ロナウドもグループステージでゴールを記録しただけでなく、決勝トーナメントではオランダ、イングランドを撃破し、ポルトガルの4位躍進に一役買った。今ではメッシが背番号10、C・ロナウドが背番号7と、それぞれ国のエースナンバーを背負っているが、ドイツ大会では前者が19番、後者が17番を付けていた。

2人はあれから長きにわたり、世界のフットボールシーンを引っ張ってきた。バロンドールといわれる、その年に最も輝いたフットボーラーに贈られる個人タイトルを獲得した数は、メッシが5回、C・ロナウドが5回。ちなみに08年以降、2人しかバロンドールを受賞していないほどだ。

ただ、そんな2人も、メッシが30歳、C・ロナウドが33歳になった。おそらく、ベストコンディションで迎えるワールドカップは今大会で最後になるであろう。それだけに、彼らが、喉から手が出るほど欲しているのがワールドカップのタイトルである。

それぞれ、所属クラブのバルセロナと、レアル・マドリードでは、リーグ優勝はもちろん、最高峰と称されるUEFAチャンピオンズリーグでもトロフィーを掲げてきた。そんな輝かしい栄光を築いてきた彼らに唯一足りないもの——それこそがワールドカップ優勝という称号。

メッシは、前回のブラジル大会で決勝まで進みながら、ドイツに0−1で敗れ、苦汁をなめた。大会MVPに贈られるゴールデンボールに選ばれたが、いくら個人タイトルをもらっても、彼の心が満たされることはない。C・ロナウドも同様だ。ワールドカップでは、初めて挑んだドイツ大会の4位が最高で、10年南アフリカ大会はベスト16止まり、前回大会に至ってはグループステージ敗退に終わっている。

ラストチャンス——その思いが2人をより強くする。

ロシア大会に臨むアルゼンチンは、メッシを輝かすためのチーム作りをさらに加速させてきた。トップ下を担うメッシの後ろにハビエル・マスチェラーノやエベル・バネガを配置しているのも、彼の攻撃力を最大限に生かすためだ。また、メッシにマークが集中しても、アンヘル・ディ・マリアやセルヒオ・アグエロといった1人で突破できる選手が複数いることもアルゼンチンにとっては強み。ただ、警戒していても、絶妙なコース取りで、密集をするすると突破してしまう、メッシがメッシたるゆえんでもあるのだが……。

C・ロナウドは、先のユーロ2016で初優勝を飾り、ポルトガル代表としても結果を残したことが、追い風となるだろう。33歳になり、かつてのようなスピードはなくなり、ノンストップでピッチ中央からゴールまで突き進む場面は見られなくなった。だが、彼はゴール嗅覚を研ぎ澄ますことで、再び輝きを取り戻した。ワンタッチ・ゴーラーとして再生した彼は、今大会、ゴール前でこそ存在感を示すことだろう。幸いチームには、ジョアン・モウチーニョやベルナルド・シウバといったチャンスメーカーがいるだけでなく、C・ロナウドの一刺しを生かす堅守速攻をベースとしているのも強みだ。

繰り返すが、2人にとって最後のワールドカップになる可能性が高いだけに、否が応でも彼らのプレーに注目が集まる。

ただ、ワールドカップが世界の潮流を示す祭典という要素が今も残されているならば、次世代を牽引するスーパースターの誕生もあるかもしれない。それがメッシ、C・ロナウドの二頭時代に終止符を打つことにもなるのだろう。それはブラジル代表のネイマール、ドイツ代表のティモ・ヴェルナー、フランス代表のキリアン・ムバッペになるのか。多くのサッカーファンが、次代の担い手を求めているのも確かだ。

文/原田大輔

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【第1回】大島僚太、柴崎岳の躍動に期待! サッカー日本代表の勝機は?

2018年6月7日(木)公開

ヴァイッド・ハリルホジッチの電撃解任を受け、ほんの2カ月前に就任した西野朗監督は、5月30日に行われたガーナ戦で初陣を飾ったが、結果は0−2の惨敗。ワールドカップ前、国内最後となる壮行試合で白星をあげるどころか、得点すら奪うことができなかった。ガーナ戦の翌日に行われたメンバー発表では、本田圭佑、香川真司、岡崎慎司といった、いわゆる“ビッグ3”が順当に選ばれた一方で、浅野拓磨、井手口陽介といった若手が落選。ただ、23人の顔ぶれを見れば、そこにサプライズはなく、まさに順当な選考だった。

ガーナ戦を見る限り、西野監督になったことによる大きな変化はまずシステムだろう。ハリルホジッチが4-2-3-1システムをベースにしていたのに対し、西野監督はガーナ戦で3-4-2-1システムを採用した。これまでボランチを務めてきた長谷部誠を最終ラインで起用した3バックは、長友佑都、原口元気のウイングバックが攻撃的なポジショニングを取れるという利点はあるものの、やはり急造感は否めず、キャンプでどれだけ組織として構築できるかが課題となりそうだ。

また、ガーナ戦で1トップに大迫勇也、2列目に本田圭佑、宇佐美貴史が先発した攻撃も無得点に終わったように、連係面に不安を残す。ハリルホジッチが縦に急いだ一方で、新体制ではコンビネーションで打開しようとする攻撃も見られたことから、変化の兆しもあったが、それも短期間でどこまで精度を高められるかに懸かっている。

正直、不安材料ばかりが目につくが、その中で見られた光りが大島僚太である。攻撃センスに秀でる大島は、1本のパスで違いを見せつけた。中盤で前を向けば、サイドにボールを散らし、好機と見れば決定的な縦パスを前線に供給した。途中出場した岡崎をはじめ、攻撃陣がこぞって試合中に大島とコミュニケーションを取ろうとしていたのは、彼が決定的な縦パスを通せる唯一無二の選手だったからだ。実際、大島自身も「もっと簡単に相手を崩せればと思って、去年から縦パスは意識しています」と、常日頃から語っていた。

さらに、途中出場ながら、ガーナ戦で存在感を発揮したのが柴崎岳だろう。スペインで揉まれた26歳は、うまさに加えて強さを身につけた。ゴールに直結するパスはもちろんのこと、自らゴール前に飛び込んで行く機動力もある。本番までの短期間で、大島と柴崎の2人を生かす形であり、手段を構築できるか。そこに日本代表の希望がある。

加えて、短期決戦でもあるワールドカップで結果を残すには、選手それぞれのコンディションも重要となる。ガーナ戦を見る限り、けがから復帰したばかりの香川や岡崎は、まだまだトップフォームとはいえなかった。グループステージで対戦するコロンビア、セネガル、ポーランドは日本よりも格上。そうした選手たちに競り勝つには、何よりもコンディションを上げる必要がある。

3バックは攻撃的にも守備的にもなれるだけに、チームとして戦い方の意識統一を図れるか。短期強化により臨む今大会の日本代表の是非はともかくとして、思い起こされるのは8年前の南アフリカ大会である。直前で守備的な戦術に変更したことで活路を切り開いたように、今大会も選手たちが腹をくくれるかどうかにある。

グループステージで対戦する3カ国の実力を考えれば、押し込まれる時間帯は長くなるだろう。攻撃に打って出る回数も決して多くはないはずだ。そうした状況で、勝ち点3をもぎ取るには、数少ない好機で確実に前線へとつなげるかが重要。だからこそ、大島と柴崎、2人の躍動に期待したい。

キャンプ地のオーストリアへと旅だった日本代表は、6月9日にスイスと、12日にパラグアイと親善試合を戦い、19日にコロンビアとのグループステージ初戦を迎える。

文/原田大輔
撮影/中越春樹

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