新潟絶品餃子図録 其の一

肉、野菜、炭水化物を使ったヘルシーな完全食をとして注目を浴びている餃子。皮の食感、あんの味わい、焼く、茹でる、揚げる、蒸す…。こだわりや調理方法は店によって千差万別。其の一では、そんな数ある餃子の中から、新潟市中央区の目指して食べたい絶品を厳選してご紹介します!

栄華楼

栄華楼

驚異の注文率を生む、こだわりの手ごね

ふっくらとした皮に、均一な焼き色。美しさに目を見張るそのビジュアルに、思わず喉が鳴る。沼垂地区で約50年の歴史を持つ老舗「栄華楼」を語る上で欠かせないのが、夜営業時にはオーダー率9割を超える名物餃子。


栄華楼
あんと「粉のダマが無く、伸びのいい皮に仕上げ、そして絶妙の弾力を出すためには、熱湯を使い手で練ることが不可欠。手間は掛かりますけど、先代からの製法を守ってます」と話すのは、2代目の細野栄樹さん。手ごねにこだわるのは、あんも同様だ。適度に脂ののった豚ひき肉とキャベツ、ニンニクの入ったシンプルなあんは、トロトロになるまで丹念に練る。素材同士をしっかりとつなぐことで、食材の味を最大限に引き出しているという。


栄華楼
皮を破ると、ほどけるように柔らかく滑らかなあんと、野菜と豚肉のいいところだけを凝縮したようなうま味をたたえた汁がドッと口に押し寄せてくる。客の胃袋をつかんで離さないその理由は、一口食べれば分かるはずだ。
毎日仕込む皮は、水分量が多いのも特徴。「だからあんを包む時には、水を使わずに皮同士をつねるようにくっつけているんです」とご主人。専用鍋でグツグツと蒸し焼きにしてうま味を閉じ込める。


栄華楼
そんな餃子とご飯やスープなどがセットになった「餃子ライス」(650円)は店の一番人気。鶏ガラなどでダシを取ったラーメンスープに、しょうゆや酢、一味トウガラシを加えた自家製ダレでいただく。

  • 店名: 栄華楼(エイカロウ)
  • 住所:新潟県新潟市中央区沼垂東3・1・24
  • 営業時間:11時〜14時30分(14時LO)、17時30分〜21時(20時30分LO)
  • 定休日:火・水曜
  • 席数:20席
  • 駐車場:2台

鵬龍

鵬龍

魅惑の食感を生む、夫婦の早ワザ

“新潟市民の台所”として親しまれる本町市場。鮮魚店などが軒を連ねる「青海ショッピングセンター」内に店を構える「鵬龍」は、市場に通う舌の肥えた客たちもほれ込む隠れた名店だ。
中国出身の店主・斉藤竜海さんは、故国で経験を積み、16年前に新潟へ。「当初は日本人好みの味が分からず苦労した。お客さんの声を聞きながら、一緒に味を作っていったんだよ」。


鵬龍
3種ある餃子の中でも「ひと味違う」とファンから評判なのは皮から作る水餃子。奥さんの波子さんがテンポ良く生地を伸ばし、竜海さんがあんを入れてキュッと包む。「餃子の仕込みはスピード勝負。ずっと2人で作ってるからこれが一番早いよ」(波子さん)。時間が経つと皮が乾き食感が変わってしまうため、手早く包むことが何より大切。あんの下味は強めだが、小麦の風味が優しく、ツルリと喉越しのいい皮に包まれてバランス良くまとまっている。その魅惑の味と食感は、夫婦のあうんの呼吸から生まれているのだ。


鵬龍
中華スープに餃子が浮かぶ「スープ入り水餃子」(450円)も根強い人気。昼時になると、中国の屋台のような味のあるカウンターを、お客が次々と埋めていく。仕入れに訪れる周辺飲食店の店主など、味にうるさいお客も多いという。

  • 店名: 鵬龍 本町店(ホウリュウ)
  • 住所:新潟県新潟市中央区本町通6-1114-1
  • 営業時間:11時〜17時※木曜は11時〜14時
  • 定休日:なし
  • 席数:19席

白山浦 来々軒

白山浦来々軒

60年変わらぬ餃子を焼き・揚げ・水餃子で

JR白山駅前に店を構えて60年以上。街の景色が変わりゆく中、ここだけは変わらぬ味で人々を迎えてくれる。店を守り続けて50年以上になる初代店主の奥さん・南孝子さんと、先代の味を継いだ息子の昌俊さん。毎朝6時半には製麺所へ出向き、麺と餃子の皮を仕込む。「温度や湿度で水加減を変えるんです。1滴2滴の世界なんだけど、それが大事」。昌俊さんの経験と感覚が重要な皮の食感を決めるのだ。


白山浦来々軒
コロンと丸みのある餃子は、焼き、揚げ、水餃子の3種類。中のあんはいずれも野菜多めのヘルシー仕上げだが、調理法によって若干味が変わるからおもしろい。揚げ餃子は高温で野菜の甘みが引き出され、焼き餃子は蒸し焼きにすることでジューシーな肉のうま味が強く出る。「昔からの常連さんは焼き、若い人には揚げが人気なんだわ。いつも水餃子っていう人も多いしね」と、人懐こく笑う孝子さん。まずは食べ比べて、好みの味を見付けてみるのがいいだろう。


白山浦来々軒
18歳で店を継いで以来32年。「60年前、おやじが作った味を守っています」と昌俊さん。口数は決して多くないが、その誠実な仕事ぶりには頭が下がる。父親から受け継いだ餃子は、多めの湯を加えて蒸すように焼く。そうして出来上がった料理をお客に運ぶのは孝子さんの役目で、調理場とホールをせわしなく行き来する。「このくらい動いているのがちょうどいいのよ」という足取りは驚くほど軽やか。

ナカマチ

ナカマチ

手作り皮が支えるあんのうま味

名物の「長浜ラーメン」に迫るほどの人気を誇るこちら。あんはほぼ同量の肉と野菜に、隠し味として田舎みそを少々。さらにラーメン用にとったスープを加えてコクを強調。ザーサイを添えた「焼餃子」とモヤシなどを盛り付けた「水餃子」は、どちらも同じ餃子を使用していて、特製の酢じょうゆを回しかけて提供するのがナカマチ流。


ナカマチ
皮から自家製にこだわる。「食感を楽しんでほしいから、厚めに仕上げてます」と店主。

  • 店名:居酒屋 ナカマチ(ナカマチ)
  • 住所:新潟県新潟市中央区弁天3-2-16
  • 営業時間:12時〜14時、18時〜22時
  • 定休日:日曜、ほか不定休あり 
  • 席数:26席

東華楼 新和店

東華楼

30年ぶりに復活した超重量級

新潟における中華料理の草分け。5年前、30年ぶりに復活したこちらの餃子は、名前の通りの巨大さで、なんと長さは約15センチ。手ごねの肉厚皮は、お湯を使って練ることで小麦の豊かな風味を引き出す。キャベツとタマネギをたっぷり入れたあんは、野菜の優しい甘みが後を引く。ニンニクを使わないので、女性やビジネスマンにも人気。


東華楼
手に収まりきらない「バナナ餃子」1本の重さは、なんと約110グラム。仕込みも一苦労だとか。

喜ぐち

喜ぐち

酔客に支持される老舗の味

ビールやハイボール、酎ハイ……。酒との相性は言わずもがな。しっかり弾力を残しながらも歯切れのいい皮は、お客の要望に応えて少しずつ厚さを調整してたどり着いたという。あんは野菜を多めに、あっさりとした味わいに仕上げている。「喜ぐちに来たら、コレを食べなきゃ」という根強いファンも多い、老舗居酒屋の名物である。


喜ぐち
しょうゆ、酢、一味をブレンドしたオリジナルのタレがかけられた状態で提供される。

  • 店名:和食 喜ぐち(キグチ)
  • 住所:新潟県新潟市中央区古町通10-1720
  • 営業時間:17時30分〜深3時※祝日は深1時まで
  • 定休日:日曜
  • 席数:45席

おもだかや 女池店

おもだかや女池店

隠し味の砂糖でコクを演出

食べた瞬間に感じるコショウの香りが印象的なこの餃子は、あんに自家製ダレを加えて濃いめの味付けに仕上げてある。「砂糖が隠し味。あんにちょっと加えるとコクが出るんですよ」と店長の大倉さん。このクセになる味を求めて、餃子を目当てに来るリピーターも多数。あっさり和風スープが魅力の名物「支那そば」との相性もばっちりだ。


おもだかや女池店
きれいな焼き目を付けるため、あえてフライパンを使用し、絶妙な温度とタイミングで焼き上げる。

情報は掲載当時のものです。念のため電話で情報をお確かめになってからお出かけください。閉店店舗については、随時メンテナンスを行っています。間違いを通報する