新潟絶品餃子図録 其の三

肉、野菜、炭水化物を使ったヘルシーな完全食をとして注目を浴びている餃子。皮の食感、あんの味わい、焼く、茹でる、揚げる、蒸す…。こだわりや調理方法は店によって千差万別。其の三では長岡、加茂、見附、上越市から目指して食べたい絶品を厳選してご紹介します!

東華飯店

東華飯店

1週間で3000個破格の150円餃子

創業は1962年。店の場所を移転し、現在は2代目の渡辺徳利さんを中心に家族三代で切り盛りする。この店の餃子が値上がりしたのは24年前に一度だけ。その後、増税を経ても、原材料が高騰しようとも「安くてうまいものを」という先代の姿勢を守り、150円のまま。

東華飯店
そんな名物は1週間で2000個。多い時には3000個が売れる。「仕込みは息子、包むのが母と妻。焼きが私。家族経営だからこの価格と味を守れる。街の人が喜んでくれると、うれしいんです。だから値上げは考えていませんよ」と徳利さん。こんな店が近所にある地元の人がうらやましい。

東華飯店
自家製ラード&豚肉のうま味と共に、ニンニクとショウガのキレのある香りが広がるあん。薄皮なので食べやすく、思わずもう1つと手が伸びる。ラーメン(こちらも550円と安い!)のお供に、酒のつまみに、テークアウトにも。この餃子は、見附の人の胃袋をガッチリとつかんでいる。

  • 店名:中国料理 東華飯店(トウカハンテン)
  • 住所:新潟県見附市嶺崎1-1-22
  • 営業時間:11時〜15時、17時〜21時15分(20時30分LO)
  • 定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
  • 席数:55席
  • 駐車場:15台

スタミナ苑

スタミナ苑

ニンニクがっつり、肉多め、のパワー系

長さはおよそ10センチ。皮はもっちりコシがあり、さらにあんは肉が多めの重量級で、ただでさえ大きいが、実際いただくと見た目以上の食べ応え。

スタミナ苑
「この店を始める前、修業していたのが宇都宮の餃子とラーメンの専門店。そこで習ったレシピがベースなっているよ。でも、ウチは焼き肉屋。習った配合よりも肉の割合を増やしているんだ」とご主人の安木和雄さん。良質な豚ひき肉を中心とした具材に、塩やコショウで下味を付ける。そして、昨今の〝ニンニクなしブーム〟を笑い飛ばすように、ガッツリとニンニクを利かせている。「私はタレなしでそのまま食べるか、酢だけでもいいと思うよ。孫もそれが好みなの(笑)」と、ニッコリ笑うおかみの順竜さん。
食べてみると、なるほど。肉の分量が多い分、しょうゆやラー油では味が濃くなり飽きが来やすい。程よい下味で素材の持ち味を楽しむか、酢でサッパリいくか。ここは、肉のプロがすすめる食べ方でいただくのが正解。

スタミナ苑
焼き肉店の隠れた名物餃子は、焼きに関しても手を抜かない。専用の鉄鍋にたっぷり水を張り、豪快に焼き上げている。ホルモン系も含めて多彩な焼き肉メニューをそろえるが、「牛タン塩」(850円)や「和牛上カルビ」(1,100円)、「和牛上ハラミ」(1,150円)など、どれも盛りが良く、満足度が高い。

  • 店名:焼肉 スタミナ苑(スタミナエン)
  • 住所:新潟県長岡市大山1-7-5
  • 営業時間:17時〜22時
  • 定休日:月曜、第3火曜※月曜が祝日の場合は翌日
  • 席数:70席
  • 駐車場:24台

喜京屋

喜京屋

本場四川の味が息づく刺激的かつ上品な味

創業から120年以上。現在は5代目の疋田昭一郎さんが調理場を仕切り、四川料理ファンを魅了している。
「焼きが1、水が3、蒸しが2。合計6種の餃子は、全てあんを変えています。それぞれに適した理想のあんがあるんです」。「四川餃子」と名付けられたこの餃子のあんは、豚ひき肉にハクサイ、ネギ。そしてエビの身が加えられている。「野菜やエビの甘みとプリッとした食感がこの水餃子の生命線。優しい風味を生かすべく、ニンニクは入れません」。その言葉通り、餃子自体は皮の食感も含めてとにかく上品。それにより、多彩な香辛料を利かせたタレの複雑な辛みがキレを増す。

喜京屋
餃子がゆであがる前に盛り皿にはチーマージャンと自家製のたまりじょうゆを入れてかき混ぜておく。プリッとゆであがった餃子をのせた後、これまた自家製のラー油を回しかける。さまざまな味わいを重ねることで奥行きを出していく。

船場

船場

濃いめの味付けがクセになる

キャベツにニラ、豚肉のひき肉に…と、具材は至ってシンプルだが、下味がバチッと決まっているのが同店の餃子。「先代の時はもっと濃かったから俺好みに少し変えたんだ」と2代目の竹歳貴夫さん。ガツンとくる店の看板メニューの「サッポロ」同様、餃子もインパクトあり。しょうゆなしの酢ゴショウが2代目のオススメ。

船場
専門の職人が毎朝200個を手作り。慣れた手つきであんをヘラで皮に塗りつけ、ふんわりと包んでいく。

  • 店名: 船場食堂(センバショクドウ)
  • 住所:新潟県長岡市西千手1-4-1
  • 営業時間:11時〜14時※土曜、祝日は11時〜14時30分、17時30分〜20時(19時45分LO)
  • 定休日:日曜、第1・3・5月曜※祝日の場合営業
  • 席数:36席
  • 駐車場:20台

味楽

味楽

味も大きさも異なる二枚看板

2代目の修業先、東華楼ゆずりの「大餃子」は食べ応え満点で、15センチ超えのビッグサイズ。食べやすいサイズの定番餃子は先代から味を受け継ぎ、国産の小麦粉にこだわり皮から仕込みむ。やや脂身多めの豚肉にキャベツを合わせることでジューシーな口当たりに仕上げている。これらの餃子だけを食べに遠方から訪れる人も多いという。

味楽
棒状に練った生地を、同じ大きさに的確にちぎり出す。皮は中心部を厚く、周縁部を薄く伸ばす。

  • 店名:中国料理 味楽(ミラク)
  • 住所:新潟県加茂市上町1-11
  • 営業時間:11時〜14時、17時〜20時LO※スープなくなり次第終了
  • 定休日:火曜
  • 席数:22席
  • 駐車場:2台

上海大食堂

上海大食堂

手仕事が生む自慢の食感

「特に皮がおいしい」と評判の同店の餃子は、表面がパリッと香ばしく、内側はもっちり。「特別なことはせず、一つ一つの工程を丁寧に」とご主人。水分量に細心の注意を払いながら熱湯で練り、丁寧に伸ばして仕上げる。粗く刻んだ野菜やひき肉のあんは食べ応え満点で、「5個は多い」という人のために、3個(410円)、4個(518円)も用意。

上海大食堂
パリパリとした羽根の食感もアクセントに。小さい鉄鍋で提供されるので、最後まで熱々を楽しめる。

情報は掲載当時のものです。念のため電話で情報をお確かめになってからお出かけください。閉店店舗については、随時メンテナンスを行っています。間違いを通報する