まだ「作業着」のイメージ持ってるの?脚光を浴びるワークマンの新業態店「ワークマンプラス」に行ってみた。

テレビやネットで話題 「ワークマンプラス」とは

作業着シェア1位のワークマンが手がける新業態店「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」が6月27日(木)、新潟県内で3店舗同時にオープンした。

作業着のイメージが強い既存のワークマンに対し、ワークマンプラスは、これまでの同社のイメージをくつがえすスタイリッシュなカジュアルウェアを前面に押し出すスタイル。デザイン良し、価格良し、機能性も抜群と、三拍子そろった優秀なアイテムの数々がSNS上で評判となり、一躍「時の店」となった。

ワークマンプラスの話題はテレビ番組やネットニュースなどでも連日取り上げられ、2018年下旬には日経トレンディが選ぶ「2019年ヒット予測」では堂々の1位を獲得。その後も順調に認知を広げ、カジュアルウェアブランドとしての地位を早くも確立しつつある。

「ワークマン感」のない店内

「コスパ最強」「有能すぎる」など、各方面から惜しみない称賛を受けるワークマンプラス。その実態を探るべく、新潟初出店店舗のひとつ、新潟山木戸店を訪れた。

店内に足を踏み入れるやいなや目に飛び込んできたのは、ブルー、イエロー、ピンクといった、カラフルなカジュアルウェアの数々。淡い色の作業着で埋め尽くされている、といった従来のワークマンのイメージとは対極の世界観だ。ワークマンプラスでは、カジュアルウェア売り場と作業着売り場が併設されているケースが大半で、今回訪れた新潟山木戸店も、店内のスペースの半分近くは作業着売り場で構成されているが、そのあか抜けた雰囲気はまさにカジュアルウェアショップそのもの。第一印象で感じる「ワークマン感」はほぼゼロだ。

プライベートブランド三本の矢

ワークマンプラスが展開するカジュアルラインの主軸は、アウトドアウェアの「Field Core(フィールドコア)」、スポーツウェアの「Find-Out(ファインドアウト)」、レインウェアの「AEGIS(イージス)」という3つのプライベートブランド(以下、PB)だ。丈夫さ、動きやすさ、快適さ、濡れにくさなど、作業着づくりの過程で培った技術をそれぞれ異なる3方向に展開。2017年のブランド立ち上げから着実にファンを増やし、一見畑違いにも見えたカジュアルウェア市場を急速に開拓した。

どんな商品が売っている?その一部を紹介

それではいよいよ、「コスパ最強」と称されるワークマンプラスの商品の一部を紹介していこう。

透湿レインスーツSTRETCH(税込4,900円)

こちらはアウトドアウェアブランド「Field Core(フィールドコア)」のレインスーツ。高い防寒・防水性能がツーリング時に高いパフォーマンスを発揮するとバイク愛好家の間で評判となり、一気にブレイク。中でも人気のカラー・ライムイエローはワークマンのPBを代表する「顔」へと成長し、ワークマンオンラインストアの売れ筋商品ランキング1位の常連だ。止水加工を施したチャック、身体の動きを妨げないストレッチ材など、作業時のパフォーマンスを意識した工夫が多数盛り込まれている。

冷感リフレクティブ ショルダー半袖Tシャツ(税込580円)

スポーツウェアブランド・Find-Out(ファインドアウト)の半袖Tシャツ。吸汗速乾性・冷感性を持つ生地「ICE TECH」を使用し、軽さ、涼しさ、ソフトな手触り、ドライな着心地を高レベルで実現している。肩や胴体部分には反射材を使用し、夜間使用時の安全面にも配慮。

イージス防水 トートバッグ(税込1,500円)

レインウェアブランド・AEGIS(イージス)の防水トートバッグ。防水素材を使用していることに加え、外側に縫い目のない無縫製構造で水や泥汚れをほぼ完璧にシャットアウト。マリンスポーツやアウトドアで威力を発揮することはもちろん、日常生活での急な雨天時にも安心して携行できる。

LIGHT(ライト) スリッポン(税込1,500円)

アウトドアウェア・Field Core(フィールドコア)のスリッポンは、かかとを潰しながら履ける「ラフさ」が魅力。撥水加工が施されているため、急な雨天時にも快適に使用できる。キャンプや川遊びの際のリラックスシューズにうってつけだ。

ワークマンPBの躍進を支える「圧倒的低価格」と「作業着メーカーイズム」

昨今のブームにより乱立状態にある各社のPBの中で、ワークマンのPBがここまで大きな躍進を遂げたのはなぜか。

要因のひとつは圧倒的な低価格だ。ワークマンのPB製品は、他のアパレルメーカーが実施しているような短いスパンでのモデルチェンジを行わない。このようにひとつのモデルを息長く売り続ける形態をとることで、在庫リスクを恐れない大量生産とコストカットを実現。他を圧倒する低価格に結びつけている。

そしてもうひとつの要因は、ひとつひとつの製品に宿る「作業着メーカーイズム」だ。カジュアルウェア開発にあたっても、ワークマンの製品開発は常に「作業をする人のために」という視点を欠かさない。動きやすさ、快適さといった基本的なポイントから、道具や工具の収納力、作業服=消耗品という前提に立った価格設定、さらには、職人と長い月日をともにする上で求められる「変わらなさ」までをも考慮して製品開発が行われる。

こうしたワークマンならではの取り組みによって生まれた製品が「プロ向け」の枠を超え、一般消費者の需要にも合致したのだろう。

取材を終えて

うわさ通り、ワークマンプラスには、カジュアルウェアショップらしいポップでライトな雰囲気があった。しかしその商品には、作業服と長年向き合ってきたワークマンの真面目さ、愚直さが生み出す確かな機能美が光っていた。「どんな場面で、どんな機能が、どんな風に役に立つか。」そんなことを想像しながらワークマンプラスの商品を眺めてみれば、きっといい買い物ができるはずだ。

取材・文・撮影:Komachi Web編集部 和田圭太

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